俳句例:201句目~
液化の日暮れ死後も吊皮の手があり/林田紀音夫
子が引きし傍線寒し「死後の世界」/田川飛旅子
わが死後もわが生きざまは滝に問ヘ/山口いさを
西日背に死後のためにも家まで歩く/五十嵐研三
はたらいて死後のことなどかいつぶり/長谷川双
すかんぽやふるさとといふ死後の土地/高橋悦男
死後のことそれとなく言ふ花あやめ/岡本差知子
我が死後もかく夕焼くる日のあらん/高田風人子
青のゆらめく無残な酔いも父の死後/林田紀音夫
うど和へて死後もつきあふ気なりけり/鳥居美智子
わが死後へわが飲む梅酒遺したし/石田波郷「酒中花以後」
金婚は死後めぐり来む朴の花絶唱のごと蕊そそりたち/塚本邦雄
その人の生まれ死ぬべき砂の国/我には死後の国より遠い/河路由佳
墓原に咲く曼珠沙華誰が「死後の恋」突き抜けて天上は紺/小川太郎