俳句例:201句目～
妻の祈りこのごろながし余花の雨/五十嵐播水
本犀のにおう祈りにつぶれる胎児/八木三日女
花人ら祈りのチャイムとは知らず/田畑美穂女
炭をおこすかくも手荒く萩を祈り/殿村莵絲子
目をつむることを祈りに子の聖夜/上田日差子
祈りにはあらず手套の五輪を組む/磐城菩提子
祈りの大戸ひらく軌みぞ河骨咲く/加藤知世子
わが祈りかなはざらめや初日出づ/篠田悌二郎
子への祷り青梅のかずかぎりなし/千代田葛彦
すすき木菟祈りきかねば燃やさるる/小島千架子
聖夜の祈り石油危機にも触れにけり/田川飛旅子
峰なす笠雲見溜めて朝の祈りゆたか/加藤知世子
祈りの身もだえ金木犀に頭を突入れ/中村草田男
祈りゐしがきこえずなりぬ夕雲雀/五十崎古郷句集
身たたみてショールはさみて祈りながし/平井さち子
空に向かいてのびる以外になき命木々は祈りの形をとりて/光栄堯夫
いまだ暗き世紀に生くる吐息とも祈りは長しグレゴリオ聖歌/近藤芳美
