俳句例:201句目~
だだつぴろい芝生を、土地が泣くぞと云う母だ/橋本夢道
何で鼻の中に毛を入れてあるのかと云う子です/浜口弥十郎
散りもはじめずですねと云う君を案内してあるく/荻原井泉水
老妻/年越して縫い上げた綿子/これを着よと云う/荻原井泉水
<父島>と云ふ島ありて遠ざかることも近づくこともなかりき/中山明
あつと云う間に死んだ電気工夫の賃金や生活を誰も知ろうとしない/橋本夢道
しろき波ただ白きのみここに来て漂白のかなしさなど人に云うな/大野とくよ
父の手紙が今年も深い雪のせいだと貧乏を云うて来る真実なあきらめへ唾をのむ/橋本夢道