俳句例:201句目～
眉間に聳ち雪の冥さの孤峯なり/鷲谷七菜子
かんかんと白樺聳ちて荒ごころ/臼倉真沙尾
雪渓の風抗ふは火山聳つ/宮津昭彦「積雲」
秋嶺の聳つまぶしさの鍬づかひ/鷲谷七菜子
霞むこともなくて夏木の聳えけり/中島月笠
聳えて充ちて風穴一つ去年今年/中村草田男
八ケ嶽聳てり斑雪近膚吾に見せ/橋本多佳子
魂まつり一本みちに岳が聳つ/鍵和田ゆう子
青りんご今日のひと日が聳えたり/金田初子
富士聳え干菜の匂ひたかかりき/吉岡禅寺洞
スキーヤのその右肩の聳ゆるや/竹下しづの女
起し絵のけはしき富士の聳えけり/相生垣瓜人
いさぎよく枯れいさぎよく聳えをり/山口甲村
父に肖るはさびしからねど青嶺聳つ/友岡子郷
富士聳ゆ師は卯の花に立ちつくし/佐野青陽人
梅桜あるは聳えて火の子来つ/飛鳥田れい無公
畠打や寝聳て見る加賀の守/一茶/文政七年甲甲
春風や犬の寝聳るわたし舟/一茶/文化十四年丁丑
寝聳てふんぞりかへつて星迎/一茶/享和三年癸亥
山開き太郎次郎の杉聳ゆ/矢部治子「未来図合同句集」
俳句例:221句目～
さらし布かすみの足に聳へけり/一茶/文政元年戊寅
