俳句例:201句目~
ビルを跨いでくる夜ぼくがやさしくなる/津根元潮
雲から飛んだ娼婦が燃えるビルから見え/阿部完市
解除後も焼ビルその根が僅かに萌ゆ/赤城さかえ句集
朝日がビルにあたりだし枯木も色めいた/吉岡禅寺洞
ビルマの少女こけてトマトのごとくなり/西村我尼吾
思想の赤馬白馬が乱立したビルの空をいく/吉岡禅寺洞
ビルとビルとのすきまから見えて山の青さよ/種田山頭火
十六夜の照らすビル群人類の秋が音なく近寄ってくる/中川菊司
ビル街より海近からむゆるゆると昭和晩期を渡るかりがね/篠弘