俳句例:201句目~
妻なしに似て四十なる白絣/石橋秀野「桜濃く」
夜食食むことなくなりて四十路かな/稲畑廣太郎
曲折の四十路や遠きメーデー歌/谿昭哉/『航跡』
四十路なる火は地より湧く曼珠沙華/鍵和田ゆう子
梅雨を四十路のブギウギ低く口ずさみ/赤城さかえ
はまなすや手のひら紅さし四十路来る/平井さち子
四十年経し思い出の岩妻と来てダイヤの海/橋本夢道
逃げもかくれもしません四十路の貌北風に/平井さち子
四十の去年にパナマ帽被り初め今年も買ひけり/喜谷六花
四十代この先生きて何がある風に群れ咲くコスモスの花/道浦母都子
老い得ざる君と老い得しわが顔と並べ得ず四十年ずれし戦帽/榛名貢
人間五十年に一年足らず四十九年ごとに木を継ぐ古樹オリヴは/高橋睦郎