春灯に関連した俳句の例をまとめました。
春灯を含む俳句例
北米は緑地球儀春灯/上野泰
提灯屋大小提灯春灯/上野泰
檣頭や煙の上の春灯/五十嵐播水
友禅の細き絵筆や春灯/前川和子
地球儀の海深きこと春灯/上野泰
翳にさへ語りかけたく春灯/林翔
句仏のごとき面々春灯/落合水尾
杢兵衛の燐寸箱の字春灯/角光雄
春灯下金平糖の赤白黄/高浜年尾
一春燈忘恩の如装へど/杉山岳陽
病窓の一つは母の春灯/鈴木昌江
一つある霞が浦の春灯/岸本尚毅
熱川の宿てふ宿の春灯/高澤良一
湯の宿の傘も飴色春燈/石川桂郎
折鶴を生む指繊し春灯/吉屋信子
手鏡のやうな小港春燈/川崎展宏
春灯や女は持たぬ喉佛/日野草城
氏素姓なくて美し春灯/吉屋信子
春燈の三十五燈余興室/高濱年尾
鴎外の文机のきず春灯/加藤耕子
俳句例:21句目~
あをあをと水族館の春灯/西村和子
春灯や御身の細き百済仏/木暮剛平
嫁ぐ娘に嫁がす母に春灯/能美優子
からまつの林に遠し春灯/小川軽舟
宝石の如きおヘそや春灯/佐藤春夫
常に濃き君がひとみに春灯/上村占
春燈の下に我あり汝あり/高浜虚子
とびとびの滝沢村の春灯/川原程子
春燈のもと愕然と孤独なる/桂信子
春燈のその一方に髪を梳く/上村占
春灯や盆にのせくる筆硯/橋本鶏二
春灯の因幡の宿の茶粥かな/いちろ
春灯のもと愕然と孤独なる/桂信子
春灯の壁に弥勒の耳の影/西村和子
春灯の下に我あり汝あり/高浜虚子
磯つづき春灯ともる大洗/富岡九江
虚子館の展示春灯溢れしめ/堀恭子
越後屋も徳利屋ももう春灯/原田喬
春燈や金泥にほふ塩草子/加古宗也
近松の遊びし茶屋の春灯/山本圭子
俳句例:41句目~
都ホテルその窓々の春灯/田中冬二
春灯の山へのびゆき港町/高濱年尾
春灯を暗くし馬頭琴奏で/迫田郁子
春燈や云ひてしまへば心晴れ/立子
春燈や中腰で書く芳名簿/宮城白路
春灯息入れてある女の髪/金田咲子
古も美女はありけり春灯/佐藤春夫
君と居ること現実の春灯/稲畑汀子
大部屋の消灯までの春灯/高澤良一
お初天神菊づくしなる春灯/西本一都
からかみを開けて一間の春灯/上村占
ことばなき指話美しや春灯/鈴木貞雄
春灯祇園は道へ零れけり/金田志津枝
とぎれては一燈江南の春燈/川崎展宏
春燈遅筆を影に添はれゐつ/野澤節子
まことより嘘が愉しや春灯/吉屋信子
みどり児の瞳の中の春灯/今橋眞理子
春燈を連ね明治座夜の部に/東山喝子
春燈を点せば嗚呼と二十人/大野朱香
をみならのうち揃ひたる春燈/小島健
俳句例:61句目~
春燈を山に飛ばして山家あり/上野泰
ソムリエに嘘すこしある春灯/松本久
春燈や読んでは畳む師の栞/戸恒東人
春燈膝下に病めば恋もなし/野澤節子
春燈の見上ぐるたびに光り増す/林火
指先に春燈あつめ綴れ織/佐々木良子
春灯女神の背筋なまめける/佐藤春夫
春灯や指にはさみて筆細し/橋本鶏二
春灯原書の革の饐ゆるなり/小川軽舟
明日嫁ぐ子に家ぢゆうの春灯/堀曜子
春灯を払ひてたたむ男傘/羽田さとし
孫戻す家のしょんぼり春燈/高澤良一
春燈の二つ一つは今ともし/後藤夜半
春燈に読む十五分注射終へ/相馬遷子
春燈に涙もふかずいましけり/上村占
春燈といふも看護婦詰所のみ/斎藤玄
春灯に戦車のお尻が揺れる/三浦北曲
春燈というあやしさの息遣い/源鬼彦
客のありいま家ぢゆうの春灯/森田峠
春灯も吾も沈み行く水鏡/水田むつみ
俳句例:81句目~
春灯や菊勇のかげ銀屏風に/田中冬二
子の寝息確かめ消しぬ春灯/西村和子
春灯の流されてをる雨の玻璃/上野泰
海霧を来し船に港の春灯/五十嵐播水
春灯の暗きに心魅かれゆく/西村和子
春灯書きたき文字の墨を磨る/町春草
独り居の春燈の下冷雨降る/高木晴子
病む友へ絵手紙描く春灯下/森井初枝
春燈や衣桁に明日の晴の帯/富安風生
春灯や征途を明日に腕角力/椎橋清翠
織り上る紬にほへり春灯/氏家さち子
美容室春灯一つづつ消して/河野扶美
一人居て春燈ともる大広間/高木晴子
建設の春燈起重機の頂点に/斉藤夏風
春灯別るべく刻充たしをり/吉野義子
思ひがけなく君に逢ひ春灯/高濱年尾
遠く航くための仮泊の春灯/友岡子郷
春灯や金婚の父母健やかに/山田弘子
金蘭き帯織る春灯低くして/泰/織江
長き土間抜けて母屋の春灯/秋山未踏