俳句例:201句目~
映画見ぬ歳月久し巴里祭/石川冬扇「待降節」
風邪気味の腹立ちやすき日なりけり/結城昌治
菜莉花や喪の歳月をいとほしみ/阿部みどり女
歳月や卵握らされたように暮して来た/橋本夢道
歳月やはびこるものに鴨足草/安住敦「歴日抄」
卯の花くたし病まざりしかばてふことも/結城昌治
歳月も梅酒の甕も古りしかな/安住敦「午前午後」
芹食えば水の香りす七曜の無きしづかなる芹の歳月/高野公彦
歳月はさぶしき乳を頒てども復た春は来ぬ花をかかげて/岡井隆
除夜の鐘二人で聴きし歳月よ永久という語を疑いもせず/俵万智
揉み消せる吸殻一本揉み消せるままに立ちたりさらば歳月/早野英彦
虹をうしなひまた虹を得て曖昧にただみづいろの歳月である/荻原裕幸
たっぷりと歳月を抱くテーブルを挟んで人と向かい合いおり/吉野裕之