俳句例:101句目～
鎌倉の花に永久なる忌日あり/須藤常央
鑑真に唐の樹樹咲く忌日かな/大畠政子
母たりし祖母の忌日や花菜漬/森川暁水
雪百日酒肉うるわし一忌日/宇多喜代子
雲奔る兜子の忌日かさねつつ/西村逸朗
震災忌日に生れてよく泣ける/皆川白陀
朝蝉が風に埋もれて誰が忌日/高澤良一
露けしや四半世紀を経し忌日/稲畑汀子
七月の言はれて母の忌日かな/石川桂郎
青年に忌日の青き椿の実/長谷川かな女
桶にある忌日の花や冬支度/大峯あきら
邸内の花に事足る忌日かな/鈴鹿野風呂
かかりたる墨絵達磨の忌日かな/徳本映水
さざん花や母の忌日もその中に/岩崎照子
綿入を着れば忌日の近々と/長谷川かな女
しやぼん玉雲を映して子の忌日/樋口芦笛
どこまでも畷つゞきや御忌日和/田島一宿
ふと昃る三椏の花誰が忌日ぞ/千代田葛彦
一輪草雨に花閉ぢ師の忌日/阿部みどり女
三味線を引く忌日なるしぐれ哉/増田龍雨
俳句例:121句目～
吾らに忌日子らに原爆教育日/下村ひろし
土佐が画の人丸兀げし忌日かな/子規句集
垣穂なるあきつの歔き師の忌日/下村槐太
大光院の子育て呑竜の忌日かな/田中星児
夫子眠る寒林遠き忌日かな/阿部みどり女
寒雷の鳴つて晴れたる忌日かな/吉田冬葉
草餅に手をつけたまふ忌日かな/後藤夜半
山茶花やちちはは忌日同じうし/河野南畦
年々の忌日と額の花とかな/久保田万太郎
蔵開き月日流れし子の忌日/阿部みどり女
年ごとに大暑の忌日迎へけり/山口波津女
忌日なるなぜ雨降るや花散るや/高木晴子
忌日なる雨降り花を散らしけり/高木晴子
忌日まで河原撫子ばかり咲く/神尾久美子
忘れずに虚子の忌日と思ふのみ/勝又一透
追つかけて伯母の忌日や花菜漬/森川暁水
春の雪忌日のごとく灯を吊りて/小林康治
春泥に足を取られもして忌日/稲畑廣太郎
東風波に忌日の仏間ひらきあり/松村蒼石
野沢菜を蒔けよと母の忌日来る/竹中龍青
俳句例:141句目～
シクラメン白馥郁と忌日過ぐ/古賀まり子
鎌倉の椿を挿せし忌日かな/長谷川かな女
枯菊を焚きてとぶらふ忌日かな/篠塚兆秋
桃青といへばしたしき忌日なる/矢島渚男
雛の日が忌日となりし佳人かな/稲岡達子
棕櫚を剥ぐ音を忌日のごと尋ね/神尾季羊
水打つて人にしたがふ忌日かな/折井紀衣
漱石忌日々の流れにさからはず/河野南畦
白玉の湯に浮き上る忌日かな/麻殖生伸子
百合さはに活ける慣はし一忌日/川口咲子
百合白し母と茅舎の忌日けふ/川端紀美子
盆の月母の忌日を此の浦に/長谷川かな女
いわし雲忌日きのふに過ぎゆける/多佳子
端居して遊びゐるなる忌日かな/後藤夜半
鮎落ちし黒羽にゐる忌日かな/深見けん二
竹落葉踏めば水噴き母の忌日/芦川美津江
鶏頭の四五本あれば足る忌日/稲畑廣太郎
遠退きてちかむ忌日の髪洗ふ/猪俣千代子
煮凝りをこのみし祖父の忌日かな/大庭光子
桔梗や忌日忘れず妹の来る/吉武月二郎句集
俳句例:161句目～
草木瓜のくれなゐを踏む忌日かな/木下夕爾
なにがしの忌日ぞけふは冴え返れ/正岡子規
さくら蕊忌日いくつも過ぎにけり/宮坂静生
秋風やうちつづきたる二タ忌日/五十嵐播水
けふよりの忌日の牡丹剪りにけり/岸風三楼
水揚げし大白牡丹の忌日かな/阿部みどり女
虚子の星あるべしと出て忌日の夜/井沢正江
像の黴ぬぐひまゐらす忌日かな/大橋櫻坡子
風鈴を吊るとたちまち忌日かな/宇多喜代子
忌日の菓子かかへて帰る夕の雉子/村越化石
花かつお原爆被爆者の忌日殖える/池田澄子
花曇りしてなつかしき忌日かな/深川正一郎
棕櫚の花こぼるゝをもて忌日とす/岸風三楼
うらうらと雉子歩まんか汝の忌日/高澤良一
枯菊を焚いて忌日の手向けとも/太田きん子
石蕗咲いて忘るゝことのなき忌日/谷川章子
うつしゑのうすきあばたや漱石忌/日野草城
めぐり来る蜻蛉の秋の忌日かな/鈴鹿野風呂
朝夕のすゞしくなりてけふ忌日/大橋櫻坡子
曼珠沙華吾が忌日には挿して欲し/三好潤子
俳句例:181句目～
師と弟子の忌日つづける石榴かな/田中裕明
寒禽は雪をついばみ子の忌日/阿部みどり女
子の忌日合掌の指凍てしかな/阿部みどり女
ぽたぽたと木槿の落ちる忌日かな/宇多喜代子
断髪のえりあし青し業平忌/日野草城「青芝」
百鬼園忌日のSONDE嚥まさるる/石川桂郎
夕涼やかへす忌日の湖月抄/松瀬青々「妻木」
頒かたれしかりん匂へり師の忌日/山本つぼみ
アイルトン/セナの忌日のハンモック/林誠司
著莪咲けば姉の忌日の来りけり/阿部みどり女
鮎焼いて供ふる忌日なりしかな/長谷川かな女
天下の句見まもりおはす忌日かな/河東碧梧桐
水うつて楽屋入りする忌日かな/長谷川かな女
けふの忌日は晴れし芍薬の芽ふくらむ/喜谷六花
かな～のはやなきいでし忌日かな/久保田万太郎
あぢさゐにジヤスミン次ぎて忌日来ぬ/林原耒井
露西亜見て来し人もあり子規忌日/長谷川かな女
もぎに出るうちむらさきも忌日かな/吉岡禅寺洞
忌日なり松葉牡丹のどこまでも/永島靖子「眞晝」
亀戸のわが師の墓に詣で来て逢ふ人もなし今日の忌日に/古泉千樫
