俳句例:201句目~
白雲を吹尽したる新樹かな/才麿「難波の枝折」
花を折つてふり返つて曰くあれは白雲/藤野古白
白雲の影きれぎれの海月かな/暁台「暁台句集」
竹やぶはなれぬ白雲のまま月夜となり/栗林一石路
何に屋根へ上つてゐるこども夏の白雲/中塚一碧樓
白雲や茅の輪くぐりし人の上/乙二「乙二発句集」
男山葡萄を絞る白雲の明りを身にうけ/安斎櫻カイ子
絶えずしも白雲おこる氷室かな/正岡子規「子規句集」
氷室の戸白雲深く閉しけり/河東碧梧桐「碧梧桐句集」
白雲と共に行く雁のふる里遠く清しと思ふ/安斎櫻カイ子
キャベツ畑を祝福し/アヴィニヨンで融ける白雲か/江里昭彦
白雲の奥かを出でて夜の空に月ぞかがやくわれを牽かんと/醍醐志万子
貧しさに耐へつつ生きて或る時はこころいたいたし夜の白雲/佐藤佐太郎