俳句例:101句目~
袷になり日曜の晴々し鐘鳴る/小澤碧童
行々子に眉間割られる日曜日/冬田水棹
日曜の雨の明るく茎立てる/成瀬正とし
母亡くて不意に四温の日曜日/鈴木鷹夫
パセリ青し日曜といふ週はじめ/岡本眸
薄氷に陽のやはらかき日曜日/中村純代
菊剪って脇芽の出づる日曜日/高澤良一
一丁の豆腐掌にのせ日曜日/石橋辰之助
朝顔まく日曜なれば子が来る日/安住敦
夏つばめ日曜の窓開け放つ/吉田八重子
枯菊を刈るために待つ日曜日/鈴木鷹夫
日曜の庭にひとりや春の雷/軽部烏帽子
日曜の教師ひねもす木の芽風/木村蕪城
花の句をすこし直して日曜日/高澤良一
山茶花の日曜や友満洲より/佐野青陽人
短日も日曜なるや菓子を食う/石田波郷
日曜につゞく旗日や鯊の秋/五十嵐播水
日曜になれば吾子来る苺熟る/池内鎖錨
日曜に遊びにござれ梅の花/芥川龍之介
柿山にをり日曜の家族たち/中戸川朝人
俳句例:121句目~
緑の羽根胸に日曜看護婦たり/松山昌子
目白鳴くあなたが遠い日曜日/隈元拓夫
日曜の一と日をわれと葱坊主/塩見武弘
日曜の不作の稲を刈りはじむ/稲畑汀子
簾かついで日曜の教師が通る/藤岡筑邨
秋風や焜炉けぶらす日曜日/猿橋統流子
釣堀りの父呼び子来る日曜日/添野光子
日曜や匂ふばかりに枯木の秀/楠本憲吉
日曜日餅ぷっくりと膨らんで/松嵜郁子
日曜朝寝の男らに晴れ高紫苑/古沢太穂
霧に明け霧に暮れゆく日曜日/福田眞澄
露草の露のさみしき日曜日/柴田白葉女
青木咲きしづかに妻の日曜日/大屋達治
日曜の埠頭休めり蜻蛉とぶ/五十嵐播水
鶯餅息子が日曜をもってくる/奥田筆子
日曜や浴衣袖広く委蛇~たり/子規句集
日曜のパパは大好きやっこ凧/山口きみ子
日曜の午後の銀座の薄暑かな/成瀬正とし
有つて無きごとき日曜年の果/下村ひろし
日曜は丹前の夫になつてもらふ/栗林千津
俳句例:141句目~
森の日曜いづれの径も歩き尽く/河野南畦
日曜を待ちて育ちし毛虫焼く/阿部ひろし
日曜は鶯を聞いて和服で居る/加倉井秋を
日曜学校雪解の風にひらかれて/田中裕明
日曜は神の日林檎もぎをせず/吉良比呂武
日曜は鴬を聴いて和服でゐる/加倉井秋を
日曜の船をみにゆく道を選り/宇多喜代子
花茣蓙に背骨のあたる日曜日/岩淵喜代子
草じらみ沢山つけて日曜日/佐土井智津子
日曜日休息は終はらない蓮の葉/木村聡雄
日曜や子達と花に丸つぶれ/阿部みどり女
うなさかに船見ず白き日曜日/山崎冨美子
日曜日挿せば花菜のうすみどり/秋篠光広
こほろぎや日曜束の間に暮れて/石塚友二
さるぐみをとる日曜の童たち/鈴鹿野風呂
あめんぼう一人見てゐて日曜日/行方克巳
タンゴ踊るきままな白き日曜日/赤尾恵以
トマト作る日曜学校の生徒かな/島田青峰
冬すみれふたりに慣れし日曜日/作田幸子
日曜の子に電話鳴る新樹かな/大谷碧雲居
俳句例:161句目~
風の樹と風の噴水日曜日/行方克巳「祭」
日曜礼拝蝶もヘレロも盛装して/津田清子
夏炉囲みけふはこころの日曜日/増子京子
日曜で人通りなき芙蓉かな/久保田万太郎
日曜のふらここ人の泣くところ/富永小谷
褞袍着てさて何もなき日曜日/伊藤伊那男
日曜広場ドラムひとつを楯として/伊丹公子
夏草を抜いてもぬいても日曜日/酒井十八歩
着ぶくれてプールヘ通ふ日曜日/柏原ひろお
リリアナは船の名棕櫚の日曜日/今井杏太郎
菊植ゑてゴルフ寡婦なる日曜日/岩城のり子
随所に鋏の類い日曜の午前終り/林田紀音夫
藤咲きぬ日曜の子等起き出でず/佐野青陽人
日曜日なり蘭鋳を見てリラックス/高澤良一
素顔でゐる日曜萩のこぼれ易く/河野多希女
空に柚子照りて子と待つ日曜日/櫛原希伊子
サングラスかけ日曜の顔となる/北見さとる
キャベツ両断雨土砂降りの日曜日/菖蒲あや
たつぷりと寝てアネモネの日曜日/高澤良一
しろかねのすすきつくづく日曜日/櫂未知子
俳句例:181句目~
日曜の終りさみしきやぶれがさ/上野美智子
花の種採る日を日曜日ともいふ/加倉井秋を
子等は留守夏書で果つる日曜日/中越津代子
かくて暮れむ日曜惜む新茶かな/大谷碧雲居
日曜はすぐ昼となる豆の飯/角光雄「薫風」
秋日さす書架ゆたかさや日曜日/大谷碧雲居
日曜の人出となりし紅葉かな/久保田万太郎
猟へ釣へわが日曜のふたごゝろ/佐野まもる
ビルの日曜黄落はげしく市電過ぐ/河野多希女
シクラメンぽつかり空いた日曜日/屋部きよみ
きやべつわがきざむ音澄み日曜日/稲垣きくの
日曜は読書に当ててちやんちやんこ/高澤良一
風の新樹に眼つむりがちの日曜日/石橋辰之助
日曜のまためぐり来し芙蓉かな/久保田万太郎
日曜終わる背後に電車あらわれて/高野ムツオ
日曜干潟へみな流木となりたくて/高野ムツオ
日曜の予定なきセーター被りたる/蓬田紀枝子
神の日曜キヤベツはどれもほどけぱなし/宮坂静生
日曜ミサのつましきオルガン浦の百苦/平井さち子
学校雪解して日曜の子が畑つくりに来る/大橋裸木