コーヒー/珈琲/に関連した俳句の例をまとめました。
コーヒー/珈琲/を含む俳句例
花は珈琲にのみ散る/筑紫磐井
花杏珈琲を挽く朝の刻/岩城久治
珈琲のかをり直進花わさび/石寒太
新涼の壁に珈琲分布地図/岩崎照子
珈琲の豆を碾く音夜の秋/長谷川櫂
珈琲や夜に入るまでの蝮草/桂信子
珈琲屋出て珈琲屋梅雨深し/辻桃子
緩やかな珈琲の渦春の海/倉田健一
窓高き珈琲倉庫蚊喰鳥/木村都由子
珈琲と桜のムース四月寒/島山允子
黄落や港に多き珈琲館/古賀まり子
珈琲に浮かべし氷音涼し/長谷川櫂
珈琲は手の中の沼秋ぐもり/皆吉司
郵便秤に載せ朝涼の珈琲豆/鈴木栄子
珈琲や其角が露を探し居る/永田耕衣
買物の女も駄馬や花珈琲/目黒はるえ
珈琲の香にあふ舗道秋の雨/片山桃史
缶珈琲温石として懐に/小谷ひろゆき
空々と男抱き込む珈琲浄土/攝津幸彦
珈琲の豆挽く音の冴返る/伊東ゆみ子
俳句例:21句目~
珈琲館船の汽笛が梅雨誘ふ/河野南畦
出没の珈琲を猪と思いけり/永田耕衣
珈琲の苦味かぐはし寅彦忌/牧野寥々
新涼や英語の中の朝の珈琲/鈴木鷹夫
珈琲の渦を見てゐる寅彦忌/有馬朗人
珈琲の水汲みにゆくお花畑/山田春生
珈琲の匙ひんやりと初紅葉/務中昌己
珈琲のお代り自由春時雨/桐村日奈子
春はあけぼの珈琲は炭火焼/田沢公登
珈琲と鴎と同性愛のふたり/伊丹公子
天高くなる珈琲がうまくなる/蔦三郎
清明やざわつく立飲み珈琲店/能城檀
氷原に珈琲こぼすなにの標/伊丹公子
コーヒ店永遠に在り秋の雨/永田耕衣
コーヒ濃し十一月の終りけり/森田峠
デザートに一口珈琲日短か/辻田克巳
霜害や起伏かなしき珈琲園/佐藤念腹
青春の苦き珈琲ゼリー食む/成田郁子
珈琲を書斎に沸かし寅彦忌/岩崎健一
二杯目の珈琲苦し夜の落葉/橋本榮治
俳句例:41句目~
珈琲や葱を想いて熱かりき/永田耕衣
冬匂ふ珈琲幸もこの程度に/山口誓子
珈琲や葱を思いて熱かりき/永田耕衣
珈琲を挽く香の厨弥生尽/大野雑草子
送別の珈琲秋の星うつし/長谷川かな女
若水に珈琲の香の膨れくる/高岡すみ子
珈琲館鶺鴒の巣のあるらしき/岡崎筍林
コーヒーの一杯分を時雨けり/岩垣子鹿
コーヒーの強き香りや秋時雨/藤山波紋
本能寺変冷し珈琲に余燼/長谷川かな女
珈琲碾くかたへにくろし烏猫/田中冬二
珈琲濃し木枯めぐる六本木/柴田白葉女
三伏の珈琲好きも病むうちや/石川桂郎
コーヒーを挽き薫らすも事始/辻田克巳
珈琲濃しけふ落第の少女子に/石田波郷
珈琲に蚊のこゑの来る斜陽館/鈴木鷹夫
珈琲店河鹿鳴く瀬の風入れて/手島靖一
コーヒー店永遠に在り秋の雨/永田耕衣
一杯のコーヒーの銭さくら草/細見綾子
一盃のコーヒーの銭さくら草/細見綾子
俳句例:61句目~
冬のコーヒー一匙分の忘却や/寺山修司
珈琲の朝の湯気みな春待てる/原子公平
角砂糖中にコーヒー亀鳴いて/石川桂郎
夢の世や珈琲館はいまも雪/攝津よしこ
珈琲よき家居を恋へりスキー行/森田峠
客観のコーヒ-主観の新酒哉/寺田寅彦
封を切るコーヒーの香や夏館/磯崎美枝
宇宙さみし一月のコーヒー店/酒井弘司
缶珈琲ごとりと夏の闇に出る/辻美奈子
父を呼ぶコーヒの時間春の宵/小山白楢
初秋の珈琲にがく少女期終る/内藤吐天
夏炉なき冷や珈琲匂ひ来る/殿村莵絲子
珈琲がすこしすつぱく花曇/小島千架子
炬燵今日なき珈琲の熱さかな/久米正雄
珈琲の香にいまは飢ゆ浜日傘/横山白虹
百合の壺匂ふ真下に濃き珈琲/吉屋信子
珈琲の爐紙に泡立つ余寒かな/葛西省子
母と来て噴水見ゆる珈琲館/岩淵喜代子
棒砂糖珈琲に噛む四迷の忌/下村ひろし
朝刊とパンとコーヒー風五月/浅野右橘
俳句例:81句目~
梅の村にて珈琲をちびちびと/如月真菜
鄙びつゝわが娘育つや花珈琲/佐藤念腹
雪の声珈琲は重厚紅茶は軽快/日野草城
雪嶺に目を離し得ず珈琲のむ/岩崎照子
水中花囲みコーヒーセツト青/上野章子
煤逃やコーヒー店に僧の居て/大橋正子
珈琲のモカ挽く香り今朝の秋/奥村八一
熱きコーヒー書斎派の暑気払ひ/辻田克巳
片手もてコーヒーを挽く原敬忌/伊藤紫水
皆出でよ食後コーヒー秋芝に/嶋田摩耶子
鳥雲にぺこんとへこむコーヒー缶/穴井太
わがための珈琲濃くす夜の落葉/福永耕二
冬立ちにけり町角の珈琲の香/伊丹三樹彦
冷し珈琲飲みて一と日の句読点/三輪温子
春潮やコーヒーミルク渦を巻く/吉原文音
敗色濃し珈琲を飲む椅子探す/林田紀音夫
敬老の日や珈琲は濃くひとり/寺沢はる子
珈琲にきんつばが合ふ漱石忌/本山卓日子
鵙聞けばコーヒーの香の昔かな/斎藤空華
珈琲に酸ほのかなるみどりの日/辻美奈子