朝市に関連した俳句の例をまとめました。
朝市を含む俳句例
朝市の蕪の肌春霰/小島健
朝市に托鉢多し鬼やんま/春樹
朝市の薦に包まれ猫柳/森啓子
朝市に臨時宅配花八手/砥上白峰
朝市や寄居虫登る棒の先/金子剛
朝市の鮑うごめく岬町/武田光子
朝市の雨沛然と桃匂ふ/中島斌雄
朝市の婆の算用春寒し/小林康治
高山の朝市甲虫も売る/山田無吾
股火鉢して朝市の売女/宮下時雨
鉱山に朝市が立ち春大根/大熊太朗
雪の上に置く朝市の赤蕪/吉田早苗
雪靄のたつ朝市の迎春花/石原八束
冬近き朝市に聴く国言葉/清嶋静恵
凱旋門見えて朝市菊芋も/小池文子
初霜の朝市にゐる迷ひ犬/藤本朋子
黙然と朝市に座す飾売り/三浦敬太
朝市の味見くさぐさ赤蕪/高澤良一
朝市の足下目遣れば箒茸/高澤良一
朝市の農婦の皺や草の餅/梶原敏子
俳句例:21句目~
朝市の地に置く秤雲の冷/宮坂静生
朝市の達磨坐りのしめじ売/赤松子
朝市の雪の戸板に蕗の薹/山口一草
朝市の露の素顔の女たち/福川悠子
朝市のに塩ふるやうに雪/深沢暁子
朝市の売手買手の息白し/鎌田利彦
朝市へ鉄砲百合を肩抱ヘ/矢島渚男
朝市の女早くも着膨れて/河本好恵
朝市に人ら跼めり雁木道/新井悠二
朝市の女活き活き鯛釣草/中貝貞子
朝市の始まる秋果山積に/丹羽啓子
朝市の婆が飲み干す寒卵/金子知代
朝市の一人に一つ置炬燵/清水克江
朝市や土の湿りし胡瓜苗/藤岡研齋
朝市や売手買手の水っ洟/小島正女
朝市に煮貝の匂ふ雁渡し/石原八束
朝市や客も跼みて蕗のたう/有働亨
紅つけて朝市の女鰊売る/八巻絹子
朝市や漆一字の麻のれん/八井悦子
朝市や筏束ねに若牛蒡/山崎ひさを
俳句例:41句目~
朝市に買ふ秋鯖の海の色/小黒露村
朝市や虫まだ声すものゝ下/炭太祇
朝市や通かゝりてけふの菊/炭太祇
朝市や鬼灯に日のさしわたり/原裕
朝市のあとの寺町冬近き/辻本穆村
秋風の大野朝市猿を売る/新田祐久
朝市の映れる川に緋鯉飼ふ/泉春花
朝市の朝の香りの青蜜柑/中村和子
秋鯖がうまし~と朝市女/山下静居
籠濡れてゐて朝市の貝割菜/森田峠
花の香の朝市を抜け秋時雨/村田脩
草の絮朝市通り抜けて海/水原春郎
蟋蟀の跳ぶ朝市の濡れ筵/尾崎雪江
朝市の真ん中赤き蕪売り/佐川広治
走り藷少し並べて朝市女/柿島貫之
朝市の秋茄子の色云々す/能村研三
朝市に婆の抱き来る金盞花/菖蒲あや
朝市の茗荷ときどき秋の風/鈴木鷹夫
朝市も日和つゞきや彼岸寺/中川四明
朝市や解けば荷の中白菖蒲/高木聡輔
俳句例:61句目~
朝市の遠くに我やわれ思ふ/攝津幸彦
新じゃがや朝市農夫地に生えて/林翔
朝市の走り枝豆すぐ売れて/柿島貫之
朝市の赤き鬼灯買ひにけり/木暮剛平
春泥を残し朝市果てにけり/田中幸一
朝市や竜胆ばかり抱へ売り/中西舗土
朝市や盛嵩高の真菰の芽/阿波野青畝
朝市の牛蒡せり出す寺門脇/高澤良一
朝市の甜瓜を朝餉代りかな/高澤良一
朝市へ峡の子が曳く瓜車/今井杏太郎
朝市にミズの瘤買ふ旅の者/高澤良一
朝市の菊の花びら糧りけり/黒田杏子
朝市に売つてゐたるよ破れ傘/辻桃子
朝市や海鼠にかかる牡丹雪/和田祥子
朝市に木耳が敷く笹濡れて/桂樟蹊子
朝市の端も真中も残暑なる/橋本榮治
朝市へゆく手車か茄子落す/吉岡句城
朝市に磯もの多し神無月/水原秋櫻子
朝市に紛れこみたる羽抜鶏/丸山/遥
朝市や涼しき雨の榊売/ながさく清江
俳句例:81句目~
朝市に雨のぱらつく生り節/荒井正隆
朝市の子供ばかりの苧殻売/古市文子
朝市に鵜傷の鮎の並びけり/小林葭竹
朝市やまだ海色の鯖を糶る/角川春樹
朝市や樽に泳ぎて黒鯛の鰭/篠田麦子
朝市のうしろ輪島の土用浪/舘野翔鶴
朝市のくさ~ならぶ町に避暑/森田峠
朝市のござ二つ折り子持鯊/斉藤道廣
朝市の寺にぎはへり半夏生/村井倫子
朝市へいそぐ軽舸の秋茄子/桂樟蹊子
朝市や島よりつきし西瓜舟/岡田一峰
朝市の笊に舌出す残り馬刀/近藤園子
朝市やひねりの強気頬被り/若井新一
朝市に春大根も出で初めし/打保好子
朝市の一品を買ふ指の冷え/小林一美
朝市の胼の手に編む布草履/中田勘一
朝市の先行く妻の素足かな/水原春郎
朝市の跡に蟹這ひ南風吹く/江藤暁舟
朝市の呼びこむ声も露けしや/安原葉
朝市の品かずふえて苗代寒/伊藤敬子