新聞に関連した俳句の例をまとめました。
新聞を含む俳句例
鳥雲に鰊脂の新聞紙/辻桃子
中元の新聞広告赤刷に/上野泰
新聞紙音し駭く青芝生/右城暮石
新聞紙畳にふかれ土用波/桂信子
新聞と足音配る冬の朝/園田信夫
銀座出る新聞賣や初鴉/正岡子規
鶯や新聞売りの鈴の音/正岡子規
新聞や鎮石にしたる籠枕/森無黄
朝々の新聞も見ず冬籠/正岡子規
墓に焚く新聞紙の火枯芝に/原裕
新聞に遅る牛乳獺祭忌/高萩篠生
水仙を包む昨日の新聞紙/星野椿
新聞の隅々漁る終戦日/高澤良一
歳晩のビル耿耿と新聞社/稲田眸子
朝顏や新聞くばる鈴の音/正岡子規
山茶花に新聞遲き場末哉/正岡子規
鶏頭に飯待つ新聞休刊日/相馬遷子
新聞を父が叱れり龍の玉/太田土男
日遅れの新聞を読み雪籠/藤浦昭代
朝寒の枕頭にあり新聞紙/島田青峰
俳句例:21句目~
新聞配達今了りたる懐手/香西照雄
鋤焼や新聞青年早々に/山口かをり
豊年や夕映に新聞を読み/加畑吉男
裏返す新聞の音文化の日/高澤良一
葭切や新聞おろす朝の船/松藤夏山
新聞は停止せられぬ冬籠/正岡子規
終電の寒さ新聞拡げ合ふ/右城暮石
納豆賣新聞賣と話しけり/正岡子規
啄木の日に量りゐる新聞紙/角光雄
爆撃の朝新聞を立つ小鳥/阿部吉友
燕帰る新聞小脇の少年に/古沢太穂
新聞紙貼りし袋や藷熱き/葛西省子
新聞に吾が事出づる冬籠/会津八一
声にして読む新聞や冬篭/小暮吉子
河童忌や学生寮の壁新聞/荒井書子
新聞を読む立冬の目玉焼/川崎展宏
新聞に秋鯖包み村まつり/那須雛子
大枯野とぶ一枚の新聞紙/吉田登子
奏瑞の記事何々ぞ新聞紙/尾崎紅葉
冬河わたる空席に新聞紙/横山白虹
俳句例:41句目~
新聞紙破れ鬼燈赤くなる/田中裕明
焼芋の最も似合う新聞紙/野村洋子
新聞の一字に紛れ蟻一つ/市場敏司
新しぼり粕新聞の活字移る/右城暮石
お降りに濡れし新聞拾ひ読み/上野泰
新樹下の新聞全紙男の座/元吉竹瓶子
新聞にざらと菓子あけ鎌祝/安部元気
新聞に切り抜きの窓夏休み/佐藤和枝
新聞に包む餅花市暮るる/高田廣稲子
新聞に雨の匂ひや漱石忌/片山由美子
新聞の反故の山や冬こもり/正岡子規
新聞の棋譜に長考雲の峰/平井さち子
新聞を歩きよむ畑や花葵/岡本癖三酔
新聞を積めばしたひて冬の蝿/林晴美
新聞に石のせて売る春一番/棚山波朗
新聞を貼るや夜寒の壁の穴/寺田寅彦
新聞を門で受け取る初日哉/正岡子規
新聞受までの素顔に初日受く/桂信子
新聞紙の炎に若き祖国あり/松本恭子
新聞紙揉めば鳩出る天王寺/攝津幸彦
俳句例:61句目~
新聞紙踏まれ颱風圏に入る/菅原鬨也
新顔の新聞少年つばめ来る/洞田青歩
明易く四国新聞ざつと読む/高内久子
春蘭を今朝の新聞紙に包む/内山忍冬
本流に乗る荒梅雨の新聞紙/中島佐渡
内閣改造甘藷包みし新聞紙/星野禎三
冬河に新聞全紙浸かり浮く/山口誓子
極月の卵をつつむ新聞紙/小島千架子
取り散らす新聞の上や初嵐/寺田寅彦
横文字の新聞燃やす三鬼の忌/桂信子
現世の新聞を読む遍路終へ/品川鈴子
秋の風新聞紙など池に浮く/山本歩禅
苧殻焚く新聞紙は吾が持ち/高澤良一
菊枯れて新聞剥げぬ床の壁/会津八一
菱の実を包みて濡るゝ新聞紙/飴山實
蕣や新聞を讀みながら行く/正岡子規
寒の鯉つつむ新聞息をする/鈴木太郎
寒鮒の息吹きを包む新聞紙/岡崎赤花
行楽の新聞紙流る上り鮒/米沢吾亦紅
読みかけの新聞を着て籠枕/相馬沙緻
俳句例:81句目~
寒鯉をぐるぐる巻に新聞紙/細川加賀
賀状見て新聞を見て小半日/長蘆葉愁
颱風に新聞活字濡れそぼつ/右城暮石
手造りの新聞受けや燕来る/上條秋水
掛取の新聞少年なりしかな/三沼画龍
掻餅に新聞を読む火燵かな/寺田寅彦
摘草や土ともならず新聞紙/松藤夏山
桜散ル大イニ血ヲ吸フ新聞紙/夏石番矢
新聞報ず瀧の川の紅葉散ると/正岡子規
新聞の読める明るさ梅匂ふ/梶山千鶴子
たつぷりの冬日が父と新聞に/神田綾美
新聞売おばさんのこゑ明易し/高澤良一
春うらら女犯の記事の壁新聞/菅田静歩
新聞で巻ける庭松梅雨に入る/西山泊雲
ねころんで新聞を見る炬燵哉/寺田寅彦
新聞の切り抜き整理原爆忌/山下/渓水
銀杏を干すしわしわの新聞紙/児玉輝代
ほの見ゆる額らうたし新聞紙/尾崎紅葉
新聞で見るや故郷の初しぐれ/正岡子規
野分くる大きく飛べる新聞紙/中村弘子