青嶺に関連した俳句の例をまとめました。
青嶺を含む俳句例
青嶺垣麻八尺の丈そろふ/及川貞
放牧の牛見当らず青嶺村/長田等
六月の青嶺仏相嶽鬼相/西本一都
海原に聳える青嶺神島は/塚腰杜尚
遠青嶺円空仏に鳥の貌/鈴木恵美子
牧柵の白き一条青嶺より/太田土男
遠青嶺煽りて岳の大幟/町田しげき
老鴬や青嶺折々雲の上/徳永山冬子
押し迫る青嶺や羆棲息地/高澤良一
裏返る蟇の屍に青嶺聳つ/飯田龍太
馬入れて青嶺廂に蹄を打つ/森澄雄
船笛に青嶺引寄せ接岸す/袴田君子
青鷺と青嶺動かず千曲川/堀口星眠
天矛の滴りの山みな青嶺/山口誓子
釣竿を青嶺に向けて川漁師/高澤良一
青嶺もて青嶺を囲む甲斐の国/丁野弘
遠青嶺師の墓山に対ひ峙つ/伊東宏晃
振り向けば帰郷なり遠青嶺/尾田明子
掛茶屋のうらは青嶺や滝祭/田村了咲
故里の青嶺さびたり鰻食ふ/細見綾子
俳句例:21句目~
造船の鉄の音飛ぶ青嶺かな/谷角美砂
一野猿逃げて残れる遠青嶺/吉田紫乃
七月の青嶺まぢかく溶鑛爐/山口誓子
三山の青嶺の奥に青嶺聳つ/大石壮吾
日や月や青嶺三日を妻と旅/鈴木鷹夫
九十年へて鍋山も青嶺かな/福田秩父
明方の夢が尾をひき青嶺聳つ/本村蠻
的立てて青嶺に対す洋弓部/桂樟蹊子
松伐つて青嶺は傷の深々と/青木重行
昼月の青嶺さびしき柿の秋/内藤吐天
聖母月青嶺青潮あひ響き/伊丹さち子
双眼鏡合はす青嶺の一点に/池田秀水
句碑もまた合掌造り遠青嶺/都筑智子
花あけび垂れて青嶺を傾かす/松本進
正面に風三樓忌の青嶺聳つ/池田秀水
鮎掛の反らす蹠に青嶺立つ/橋本鶏二
屋根替の大声がとぶ青嶺晴/鵜飼直子
骨壺に葛生の青嶺見せ戻る/高澤良一
白鷺城掌中にして青嶺峙つ/伊東宏晃
鮎鷹の一閃青嶺澄みにけり/土山紫牛
俳句例:41句目~
大杉に透き重畳の青嶺かな/大橋敦子
鉾杉の鉾を重ねて青嶺なす/山口誓子
天涯に青嶺むらがり牡丹園/桂樟蹊子
巫女舞の扇の先の青嶺かな/佐野典子
妻に買ふ青嶺泊りの首飾り/山下一冬
羽後牛のステーキ青嶺滴るに/高澤良一
蜩や奥の青嶺にうちひびく/水原秋桜子
蝦夷青嶺肩寄せて守る湖の艶/高澤良一
西方にあぶくま青嶺句碑開眼/金丸鐵蕉
雲青嶺母あるかぎりわが故郷/福永耕二
ためしたき山彦青嶺ま近なり/朝倉和江
霜害を脊の青嶺がさしのぞく/相馬遷子
ひむがしや青嶺つづき宇陀郡/井浪立葉
青嶺あり青嶺をめざす道があり/大串章
青嶺こす鉄塔墓の上に光り/福田甲子雄
青嶺また青嶺故郷へ産みにゆく/長田等
わがものとして裏山の青嶺聳つ/斎藤玄
青嶺より青き谺の帰り来る/多胡たけ子
青嶺星ゴッホの杉も谷に暮れ/辻田克巳
イザヤ書の語や凜々と遠青嶺/大谷利彦
俳句例:61句目~
青嶺星秋立つ雲にさゞめける/西島麦南
青嶺聳つに白鳳石の句碑坐る/影島智子
テスト終ふ青嶺全身映りけり/宮坂静生
青嶺聳つ三つの國の寄合ひに/山口誓子
青嶺聳つ川沿ひに町続きけり/関森勝夫
鞍形の青嶺をそこに木曾旅籠/荒井正隆
顔近く昏るる青嶺や合歓の花/藤田湘子
六月の青嶺をちかみ雨のひま/石原舟月
風の奥青嶺は眉を張りつめし/木村敏男
北上川越えたる青嶺明りかな/下鉢清子
鳶舞ふや青嶺の滝を護るごと/羽部洞然
向日葵の向きかはりゆく青嶺かな/篠原
土蔵に青嶺の群るる桑照りぬ/桂樟蹊子
字を思ひ出すため遠き青嶺見る/角光雄
安住す青嶺全きふるさとに/松倉ゆずる
尺蠖の青嶺はかるや句碑の前/巌谷小波
形代の襟しかと合ふ遠青嶺/能村登四郎
悠々と暮れて青嶺のいま黒嶺/高澤良一
昼ふかき青嶺の鬱を道の神/猪俣千代子
木曾青嶺お茶壺さまのお通りよ/杉本寛
俳句例:81句目~
母いつも手庇をして青嶺見し/長谷川双
泥まみれなる飲食に青嶺聳つ/飯田龍太
青嶺立つ茶房に双眼鏡置かれ/中田尚子
滴りて青嶺を指せる洋傘の尖/加藤楸邨
瑠璃啼いて青嶺閃く雨の中/秋元不死男
田沢湖は青嶺の間に手窪ほど/高澤良一
硬山の青嶺と顕てり廃坑史/阿部いく子
立山は七重の青嶺雲を率き/佐藤こう一
いつの世も青嶺ぞ立てる盆支度/藤田湘子
かくばかり父の恋しさ夜の青嶺/寺井谷子
疎の村の青嶺こだまに機を織る/河野南畦
ここすぎて蝦夷の青嶺ぞ海光る/巌谷小波
青嶺なる湯地獄音もかよふなり/皆吉爽雨
屋根の上をわたる青嶺や朴の花/田村了咲
渥美夕山青嶺を海のかなたにす/太田鴻村
みちのくの青嶺はじまり道曲る/巌谷小波
むささびの声聞く青嶺泊りかな/小林和子
わが立てる青嶺に青嶺続きゐて/右城暮石
青嶺出てまたも青嶺へほとけ道/渡辺恭子
コスタリカ旗翩翻青嶺よりの風/大橋敦子