みそかに関連した俳句の例をまとめました。
みそかを含む俳句例
霜月の晦日よ京のうす氷/言水
第九今大合唱に大晦日/木村草女
大江戸や動くもの皆大晦日/戯道
大晦日分別ばかり残りけり/許六
圧力鍋奮闘続く小晦日/高澤良一
不知火が芒に映る晦日かな/鬼将
侘びしさや大晦日の油売り/曾良
長考に結論はなし大晦日/桂信子
名湯の濁りに憩ふ初晦日/鞍悦子
大鍋を洗ひ終りて晦日蕎麦/塙きく
相席の独り身同士晦日蕎麦/田口圭
廂より縄降りてくる大晦日/中田剛
砂糖壷塩壷満たし大晦日/三浦ゆふ
空元気出して晦日の水馬/高澤良一
大晦日神馬の鬚の皆白し/正岡子規
春や来し年や行きけん小晦日/芭蕉
黒髪を洗ひて宿の大晦日/飯田法子
晦日も過ぎ行く嫗が亥子かな/尚白
晦日月なし千歳の杉を抱く嵐/芭蕉
燭きつて暁ちかし大晦日/夏目漱石
俳句例:21句目~
又三百六十五度の夕日哉/正岡子規
月代や晦日に近き餅の音/松尾芭蕉
夕焼の机におよぶ初晦日/黒田杏子
仲見世の裏の月影大晦日/深見けん二
戸袋の青淵あかり大晦日/大峯あきら
みそか蕎麦財薄ければ家安し/菅裸馬
有明もみそかに近し餅の音/松尾芭蕉
店頭に大鯛を焼く大晦日/松沢満里子
來年の餅の匂ひや大三十日/正岡子規
さつぱりと月の晦日や髪あらひ/智月
揉みにもむ歌舞妓の城や大晦日/来山
棒鱈が桶にくにゃり大晦日/谷口道子
鉢物に土を足しやる小晦日/高澤良一
社宅みな人声もせず大晦日/大谷恵教
家の中を水ながれ過ぐ大晦日/穴井太
窓ガラス一枚拭いて大晦日/森田孝子
娘二人来て帰りけり大晦日/永井龍男
竈の前大晦日の猫の居る/広江八重桜
肥汲に一本つけぬ大晦日/五十嵐播水
脚ちぢめ蝿死す人の大晦日/西東三鬼
俳句例:41句目~
足がまた二階へ上る大晦日/辻田克巳
風凪て春の支度や大三十日/正岡子規
地平線見たくて旅の小晦日/土屋草子
妻すこし昼を睡りぬ小晦日/星野麦人
小晦日花提げて行く妻の墓/唐沢信一
瀧上の水のうつろや小晦日/宮坂静生
翌ありとたのむもはかな小晦日/蝶夢
暗がりの南座隣り晦日そば/谷口八星
大晦日一児は熱の床に在り/石塚友二
流れ来てこの古町に晦日蕎麦/谷尻誠
浪花座を惜しむ行列初晦日/面地豊子
大晦日り柱時計の一気かな/本島花子
大晦日用もないのに上野駅/外崎紅馬
声高な露店の地割り小晦日/川澄祐勝
大晦日父がつぶやく椅子の上/原田喬
宮樣の門靜かなり大三十日/正岡子規
やゝ早き退院許可や大晦日/谷川紫竹
みそか心の昔むかしや春の闇/菅谷晴子
底のはうから最後の豆腐大晦日/中田剛
その前に一本つけよ晦日蕎麦/鷹羽狩行
俳句例:61句目~
その富士や五月晦日二里の旅/山口素堂
ぬばたまの晦日祓の恐ろしき/高野素十
寒梅の薫りおさめや大三十日/正岡子規
債権者会議の晦日蕎麦となる/南迫亭秋
共同湯昼をみたして初晦日/松崎鉄之介
口元の母に似てきし晦日蕎麦/岩切恭子
枯木打ち晦日の雨の至りけり/高澤良一
億劫というてはをれず大晦日/板倉松鯉
元日の餝りながらに大三十日/正岡子規
子に生きる平凡妻と晦日そば/鴨下秀峰
家中を点してふたり晦日蕎麦/中村保典
家族皆法被着て売る晦日蕎麦/関口美子
大晦日馬に追はるゝ夢見たり/正岡子規
助番や二十九日の大晦日/ヒコネ-孟什
大晦日師の放送のつづきをり/萩原麦草
大晦日定めなき世のさだめ哉/井原西鶴
病む母の枕頭晦日蕎麦すゝる/大橋敦子
大晦日いとも静かに六本木/武原はん女
あの枝の光る見にゆく大晦日/如月真菜
大晦日犬が犬の尾垂れている/清水哲男
俳句例:81句目~
諸葛菜晦日の雨に伸び切りて/高澤良一
笊いつぱい芋白くむき大晦日/大熊輝一
各部屋の明り灯して大晦日/吉本ふみ子
大晦日ただ十字架を見て戻る/中杉隆世
世を捨てし身の自慢日や大晦日/三千風
大晦日御免とばかり早寝せる/石塚友二
酒五合寝てすむものを大晦日/幸田露伴
重ね鳴る寺鐘も京の大晦日/桑原まゆ子
晦日蕎麦すすり善男善女たり/加藤耕子
大晦日もつとも低き星ひかる/加藤憲曠
大晦日蓬髪足袋をはきながら/赤尾兜子
大晦日は昔も今もさむき夜ぞ/大野林火
大晦日みちのく人となる帰郷/大江秀洋
板山葵に銚子二本の晦日蕎麦/石原八束
明日の日の無きが如くに大晦日/武川秀
子と息を合はせて寝落つ小晦日/石寒太
小晦日好き帯買ふて帰りけり/永井荷風
月の輪の佗びねに光る大晦日/飯田蛇笏
川蝦の二合がほどを小晦日/五十嵐賢二
掛取のひとり戻らぬ晦日蕎麦/河前降三