鉛筆に関連した俳句の例をまとめました。
鉛筆を含む俳句例
八/一五鉛筆芯光る/青倉人士
凸凹に鉛筆削り入学す/上野泰
丸善で鉛筆買ひぬ春の暮/関成美
春の鳥赤鉛筆の芯太し/下村槐太
春浅き顔々浮ぶ赤鉛筆/林原耒井
秋雨や赤鉛筆で速達と/星野立子
鉛筆は幼い凶器花の頃/対馬康子
春寒し赤鉛筆は六角形/星野立子
鉛筆を鋭く削り秋夕焼/能美澄江
鉛筆を蟻登りきり爆心地/原森々
鉛筆の今を転がす大試験/秋尾敏
鉛筆で寸法計る夏木立/高澤良一
病床に鉛筆失せぬ夏の暮/石田波郷
退屈な鉛筆削り蝉時雨/増田河郎子
葉桜や鉛筆鋭く削りをり/葉山/隆
鉛筆を尖らす愛に遠ければ/徳弘純
栗の上鉛筆描きの八ヶ岳/高澤良一
紅梅の莟ぽこぽこ鉛筆描/高澤良一
鉛筆は永久の道連れ雪催/清水径子
鉛筆を削り揃へし桜かな/山本洋子
俳句例:21句目~
鉛筆を削り終れば鵙来たる/森田峠
三等の鉛筆のもう月の中/折井紀衣
二年生鉛筆書きに避暑便り/上野泰
鉛筆を走らす花鳥諷詠漢/高澤良一
鉛筆一本田川に流れ春休み/森澄雄
兀兀と鉛筆の音凍みる夜は/中田剛
消しゴムと鉛筆の机蓬餅/瀧井孝作
初蝉や鉛筆削よく切れる/野村喜舟
鉛筆のBが好きなり初日記/今井妙
反対署名うすき鉛筆脂ぎる/梶大輔
赤鉛筆遅々と春光漲れり/林原耒井
鉛筆の4Bこれは暖かし/鈴木鷹夫
鉛筆に残りし歯形卒業す/古屋/元
寒昴鉛筆書きの妹の遺書/角川春樹
鉛筆にとめし数句や秋扇/野村泊月
差せばすむ鉛筆削鶯来て/石川桂郎
悴みし掌の鉛筆より蝶生る/穴井太
鉛筆と俳句手帳と長き夜/北星蒼花
鉛筆で仰向け見たり壺菫/高浜虚子
鉛筆が倒れる方位黒揚羽/対馬康子
俳句例:41句目~
鉛筆で髪かき上げぬ初桜/星野立子
鉛筆で指す海青し卒業歌/寺山修司
鉛筆で太字の起稿風の雲雀/友岡子郷
鉛筆を短くもちて春の風邪/岡田史乃
鉛筆の落ちて音せず草紅葉/星野立子
正常へこんなに重い青鉛筆/阿部完市
鉛筆で助炭に書きし覚え書/高浜虚子
よく折れる鉛筆の芯春の蝉/木下夕爾
ドイツ製鉛筆を愛で青邨忌/有馬朗人
鉛筆の芯折れ急に雪見たし/鈴木鷹夫
鉛筆の芯やはらかし浮寝鳥/西塚洋子
鉛筆の消し屑溜めて初仕事/北さとり
春浅き夜は妻も鉛筆削る/加倉井秋を
小刀や鉛筆を削り梨を剥く/正岡子規
軟らかきBの鉛筆好み処暑/岡本彦弥
新涼は鉛筆削る匂ひより/菊地乙猪子
鉛筆に力あまれり春一番/米澤吾亦紅
朝鳥に鉛筆のような首あり/阿部完市
新涼や旅に愛せし小鉛筆/能村登四郎
心をまとめる鉛筆とがらす/尾崎放哉
俳句例:61句目~
鉛筆の鶏頭写生赤からず/阿波野青畝
削りゐる鉛筆匂ふ雁渡し/小松崎爽青
手文庫に百の鉛筆日脚伸ぶ/泉本浩子
鉛筆を削りしまでの初仕事/結城昌治
逃亡や冬の鉛筆折れるまで/寺山修司
鉛筆を削り揃へて秋涼し/岡崎莉花女
鉛筆を削り燃す火も冷かに/高橋睦郎
夜の秋赤鉛筆が見当たらず/高澤良一
枕許サンタにB鉛筆ねがふ/平畑静塔
鉛筆を抛ちてすぐ昼寝かな/斉藤夏風
鉛筆を落せば立ちぬ春の土/高濱虚子
メモ帖に八月盡の鉛筆書き/高澤良一
画用紙と鉛筆持つ子花の前/高澤良一
兇器めく鉛筆の芯啄木忌/猿橋統流子
春日いま昃れる額の鉛筆画/京極杞陽
鉛筆買ふ街の蝉声こめかみに/中拓夫
鎌借りて鉛筆けづる麦の秋/木村蕪城
青麦の突込んである鉛筆立/川崎展宏
鳥雲に鉛筆舐めて字を濃くす/関成美
秋風や地図を鉛筆ころげでて/川崎展宏
俳句例:81句目~
笹鳴きや主婦の鉛筆みな短か/勝又春江
笹鳴や鉛筆書きの妻の遺書/三村太虚洞
胼痒し鉛筆をもて掻くことも/木村蕪城
鉛筆の角の日暮を木の実落つ/杉野一博
蟻走る赤鉛筆をうたがひて/中尾寿美子
轢かれたる鉛筆拾ふ寒の辻/田川飛旅子
鉛筆と紙とめがねと年明くる/角川照子
鉛筆に残る歯のあと合格す/吉野トシ子
鉛筆のすぐ減つてゆく誓子の忌/平瀬元
あぢさゐや少年くるる鉛筆を/小池文子
ものうげににぎる鉛筆桃の花/仙田洋子
もの書けば鉛筆の先春日かな/細見綾子
鉛筆もてひろぐ炭火や夫はなし/桂信子
鉛筆も紙もなき野に土筆生え/今瀬剛一
鉛筆をくはへ磯巾着すぼむ/片山那智児
鉛筆をけづる匂ひの夜長なる/杉野一博
やはらかき鉛筆で描く芽吹山/梶井悦子
やませ続く鉛筆舐めて農日記/桜庭梵子
茅花野を鉛筆書きの手紙くる/能村研三
四万六千日の鉛筆を買ふ石工/西本一都