俳句例:101句目~
生涯の句なり君とりてよ初句会/山口青邨
生かされて古希発心の初句会/今井田敬子
帯重くこゞみがちやな初句会/飯島みさ子
法華寺さま菓子も薄紅初句会/澤田弦四朗
誰が袖の香のこぼるるや初句会/藤田直子
師の遺句をふと読み返す初句会/遊亀彌男
俯伏して葡萄句会と言ひたけれ/萩原麦草
嬰留守の揺りかごのぞく初句会/植村通草
句会ありし寺覗き見る小春かな/西山泊雲
走馬燈句会の母に長き留守/阿部みどり女
丸ビルの最後の初句会となり/稲畑廣太郎
句会寺や時雨るゝ海を見通しに/西山泊雲
初句会終へたる帯をゆるめけり/館岡沙緻
誰も富士詠まんと黙す初句会/福田甲子雄
軍靴古りほとんどを占め初句会/永井龍男
通夜ありて良夜の句会一人欠く/高澤良一
夜話遂に句会となりぬリラの花/高濱虚子
美しき菓子を持ち寄り初句会/岡部六弥太
初句会末座に闘志しづかなり/長浜大薩子
初句会既に二十日も過ぎんとす/高浜年尾
俳句例:121句目~
初句会旅戻りなる顔もありぬ/松根東洋城
小鳥狩したるその夜の小句会/松本たかし
初句会手の切れさうな空を詠む/杉野諒一
初句会人みな老ゆること忘れ/山崎千枝子
年忘れ黄泉にも句会あるならむ/高澤良一
初句会亡き師に会はん心地して/山田凡二
根付鈴かすかに鳴れる初句会/古賀まり子
座蒲團も句会も花鳥盡くされよ/筑紫磐井
鐘も経も聞こえて庫裏に初句会/山田弘子
スリッパを出船に揃へ初句会/松倉ゆずる
朝寝して句会は午後の一時より/鈴木花蓑
アメ横の賑はひ抜けて初句会/永久保節子
雨降りの小間はよきかな初句会/高木晴子
夢窓忌のひとり足らざる句会かな/石寒太
月心寺さまもお出まし初句会/田畑三千女
平凡に老いて座にあり初句会/宮内保寿庵
みづうみを見て来し旅や初句会/角川春樹
秋の川に突き出し楼の句会かな/西山泊雲
秋暑しあつしと句会こなしたる/坊城中子
老い五人に減りし句会や獺祭忌/宮武章之
俳句例:141句目~
鹿ヶ谷のよしある荘の初句会/大橋越央子
窓の富士いときはやかや初句会/徳永山冬子
一茶忌の句会すませて楽屋入/中村吉右衛門
句会して釈迦と共にす堂の冷え/山口超心鬼
夜話つひに句会となりぬリラの花/高濱虚子
甚平きて朝の句会のお世話かな/田畑三千女
煤逃のいそいそと行く句会あり/岩ヶ谷光於
はなやぎてをみなばかりの初句会/中村澄子
春著かけ流して句会つづきかな/今井つる女
賀客ともなり句会へとなりゐたり/坊城中子
忘れいし母の日なりし句会かな/岡本きよみ
初句会すきとほる菓子もてなされ/廣瀬直人
だまされし今日の天気や菊句会/阿部みどり女
ものの芽や老いてをんなの句会好き/黒田杏子
疎くなりし茲の句会や落葉降る/長谷川零餘子
蚊帳を吊る一間暗くし句会かな/長谷川かな女