俳句例:101句目~
山拓きたる学校にをどりけり/茨木和生
嵯峨国民学校とあり山茶花に/久米正雄
布団干す学校祭を見下ろして/河合千枝
学校の裏の田水の沸きにけり/山本洋子
梱包が解かれ始めて夏期学校/松本郁子
植樹して学校の森湖入るる/中戸川朝人
榾取りや学校帽を打ちかむり/松藤夏山
清流に目高の学校残りをり/五日市/勉
稲刈のはじまりぬ学校もまた/清水逍径
言ひ交はす御慶学校始かな/細木芒角星
雪に明け学校焼けし電話くる/永井龍男
けものめく学校裏のさくらの樹/星永文夫
体育会の歓声気化して丘の学校/伊丹公子
学校に来ぬ子と会ひぬ達磨市/星野乃梨子
菊活けて学校がまねく狂言師/能村登四郎
トマト作る日曜学校の生徒かな/島田青峰
商船学校赤し子の土産船にせむ/細谷源二
日曜学校雪解の風にひらかれて/田中裕明
学校休む子山吹に坐り尽しぬ/河東碧梧桐
学校の廊下をおもう寒露かな/三浦ミヨ子
俳句例:121句目~
足利学校楷樹裸木そびえしむ/阿部ひろし
わっと来て学校田を刈りつくす/西川無行
逆立ちをして学校の遠くなる/笛木あき子
山の学校鶲の好きな木がありぬ/中澤康人
電波学校の跡地に雲雀舞降りぬ/楠本節子
学校道具買ひそろへたり照る椿/原田種茅
学校があれば桜の咲いてゐし/河西みつる
ひなげしひるは学校にゐる子/栗林一石路
炭焼いて子を学校にやりにけり/籾山柑子
学校の理科の授業の南瓜蒔く/天野逸風子
学校のにはとりが鳴き秋の暮/片山由美子
学校へしづかなる坂桃熟れぬ/佐野まもる
学校の門を出る子に野分かな/岡本癖三酔
雪垂れて落ちず学校はじまれり/前田普羅
学校をろうやにしているつゆの空/大橋清和
学校が枯野に浮かび揺れており/秋元大吉郎
柚子採りし弾み手に脚に学校へ/加藤知世子
桑の芽にほふ学校を卒へた少年/栗林一石路
学校花壇サルビヤつねに軽騎兵/鈴木蚊都夫
学校はじめ笑ひの神の顔ならぶ/つじ加代子
俳句例:141句目~
子ら学校藁塚に退屈の刻が来る/猿橋統流子
セロリ移植学校二学期ピアノ鳴る/大熊輝一
ぶらんこの大振り学校ゆれている/川口芳雨
学校をからつぽにして雪を掻く/伊阪みゑ子
代掻きて児等待つばかり学校田/石田/順子
摘み摘みて学校遠しつくづくし/瀧澤伊代次
すかんぽのひる学校に行かぬ子は/長谷川素逝
学校初めの子に遇ふどこの子と知らず/荻亮一
あをあをと学校即売所のあしたば/中戸川朝人
学校へもらはれてゆく案山子かな/篠塚千恵美
兄弟学校へ南瓜棚の下から出てゆく/栗林一石路
学校雪解して日曜の子が畑つくりに来る/大橋裸木
草履はたはたと日盛りの学校から戻つて来た子/大橋裸木
土塀に突つかひ棒をしてオルガンひいてゐる学/校尾崎放哉
やつと学校へ行けるわが子の背たけもちさく靴を穿いてゆく/橋本夢道