竜の玉に関連した俳句の例をまとめました。
竜の玉を含む俳句例
掌中に幸ある如く竜の玉/星野椿
門前に竜の玉あり寒造り/森澄雄
碩学を育てたる家竜の玉/森田峠
丈草の墓より貰ふ竜の玉/飴山實
龍の玉冷たい額持つ男/大竹広樹
葎より一つ授る龍の玉/加藤耕子
名付親喪ひ龍の玉探す/細川加賀
竜の玉並べ寅年親子かな/皆川白陀
新聞を父が叱れり龍の玉/太田土男
仙人の置き忘れしや竜の玉/長田等
雨粒か露か吸ひつき龍の玉/中田剛
竜の玉宵月の辺は縹色/中村草田男
少年のゆめ老年の夢竜の玉/森澄雄
師の快癒願へば碧し龍の玉/池田秀水
湖霧に濡れては覚めん竜の玉/飴山實
すでに國廃れたるとぞ龍の玉/中田剛
谷間に生れて住みて龍の玉/柳澤和子
龍の髯に深々とある龍の玉/皿井旭川
はきはきと喉使ひぬ竜の玉/河合照子
ひたぶるに念佛いたせ龍の玉/辻桃子
俳句例:21句目~
龍の髭から龍の玉痛こぼれ/永田耕衣
龍の玉髪括りたるひかりかも/中田剛
ひげ深く天の紺秘め龍の玉/河野静雲
山中の一窯守りて竜の玉/北見さとる
龍の玉蝕まれゆくひとつあり/中田剛
龍の玉虚子眼中を逸れしもの/中田剛
龍の玉日月とどめおく處/佐々木六戈
葬式に来ている故人龍の玉/森田智子
かざしみて異なる青や龍の玉/中田剛
龍の玉こころに遠く母のこと/石嶌岳
亡父より波郷が恋し竜の玉/北野/登
碧玉の昃ればただの竜の玉/三村純也
磐座の人をこばみし龍の玉/土谷和生
住職はめつたに現れず龍の玉/下田稔
巫女の秘む幼き恋や龍の玉/中山輝鈴
竜の髯に深々とある竜の玉/皿井旭川
年とつて優しくなりぬ龍の玉/大串章
竜の玉ときに悪霊跳ねまわり/徳弘純
竜の玉覗かば老の貌見えむ/遠山和子
竜の玉男が拗ねて何とする/辻田克巳
俳句例:41句目~
古井戸に定紋のあり竜の玉/赤尾恵以
このごろの重き瞼に龍の玉/細川加賀
開かれしまゝの山門龍の玉/遠藤善蔵
陸はもと海なり青き竜の玉/中村苑子
沈黙も言葉のひとつ龍の玉/太田寛郎
山の日の山に傾ぎぬ竜の玉/角川春樹
いちにちの奥に秘めおく龍の玉/中丸涼
龍の玉うしろに夕日まばたきて/岸田稚
龍の玉ここはどっこい正念場/高澤良一
龍の玉こころ叶はぬいろにして/中田剛
龍の玉なんぞありそな館とも/高澤良一
一茎に龍髯の実の瑠璃七ツ/五十嵐播水
龍の玉地に喝采のあるごとし/大石悦子
こほらじとして龍の玉零れたる/中田剛
龍の玉塀の窓にも未知の世界/香西照雄
龍の玉深く蔵すといふことを/高浜虚子
龍の玉触ればこぼれ出て雌か/永田耕衣
なまぬるき夕日をそこに龍の玉/岸田稚
みづうみの芯がまつくら竜の玉/加藤勝
みどりより濁りをはらひ龍の玉/中田剛
俳句例:61句目~
人の手に惜しみ返しぬ竜の玉/皆吉爽雨
余世こそ凡に永かれ龍の玉/殿村菟絲子
余生こそ凡に長かれ竜の玉/殿村莵絲子
入門を許されてをり龍の玉/佐々木六戈
其色のとしの身に添ひ龍の玉/安東次男
十二支にはづれし猫や龍の玉/吉原文音
地球またかく青からむ龍の玉/鷹羽狩行
左京より上京しづか龍の玉/大峯あきら
手にのせて吾かも映り龍の玉/皆吉爽雨
手に取りて人肌となる龍の玉/澤本三乗
手を洗うための常蔭に龍の玉/久保純夫
旅にあると思へと龍の玉遺し/大石悦子
日當りを一點はじき龍の玉/八木林之介
本復はまだまだ龍の玉撫でつ/高澤良一
生きものに眠るあはれや龍の玉/岡本眸
ひそかなるものは美し竜の玉/中村玲子
竜の玉あらためて天仰ぎをり/岡村榮治
竜の玉うしろに夕日まばたきて/岸田稚
竜の玉つましき数を蔵しをり/清/和子
竜の玉命のはてを見てきし眼/石河義介
俳句例:81句目~
竜の玉旅鞄よりこぼれ出づ/山崎ひさを
竜の玉深く蔵すということを/高浜虚子
竜の玉父の齢は生きがたし/藤田源五郎
竜の玉空あこがれて空の彩/八牧美喜子
竜の玉識れるは竜の玉ばかり/高澤良一
竜の玉龍太語録が生きてをり/高澤良一
職乞ひの膝くづれたり龍の玉/細川加賀
足音の往き来にふとる竜の玉/高澤良一
野つ鳥の声を張りゐる龍の玉/橋本榮治
長き生を子として仕へ龍の玉/橋本榮治
門松にこぼれてありぬ龍の玉/中村汀女
雨戸引くこと早き家龍の玉/大峯あきら
雪中に瑠璃冴えにけり竜の玉/荻野泰成
霜枯の中に紫紺の竜の玉/阿部みどり女
かの世への永住龍の玉となり/鳥居真里子
龍の玉ひとびと影を踏みあへり/古舘曹人
昼すこし寝て日のくれの龍の玉/細川加賀
竜の玉なんぞ詠む季来たりけり/高澤良一
この世には無き色として龍の玉/手塚美佐
この家の龍の玉ともさやうなら/細川加賀