俳句例:101句目~
教会の窓開いてをり流れ星/梅木由紀美
西陣に小さき教会春しぐれ/長谷川明子
教会の石油ストーブ出揃ひし/綾部仁喜
身に入むや島の教会畳敷き/宮丸千恵子
身に黒子ふえゐる不思議伝教会/森澄雄
道標の指せる教会霜のこゑ/平井さち子
教会の燈の引くころや虎が雨/角川春樹
教会と枯木ペン画のごときかな/森田峠
円柱となりきる蝸牛冬の教会/加畑吉男
恋雀教会の屋根古りにけり/古賀まり子
教会の薔薇の芽にふれ棘にふれ/吉澤利枝
教会の十字架おぼろ平和な村/柴田白葉女
梅雨寒や教会の椅子堅きまま/越田美奈子
母の日や教会の木の椅子に傷/田川飛旅子
教会の鐘鳴る毛虫焼きてをり/酒井みゆき
教会のつめたき椅子を拭く仕事/田中裕明
烏麦熟れ教会の窓細し/飯島晴子「儚々」
田の中の教会鐘打つ喜雨の虹/下村ひろし
教会の錆びし日時計木の実降る/室谷幸子
祈祷るとき木の教会を梅雨つつむ/飛旅子
俳句例:121句目~
ものに戀ひさめぬ寝耳や遺教会/松瀬青々
見下しにロシヤ教会つるでまり/川澄祐勝
マロニエ咲き教会暗き扉一枚/上野さち子
合歓の花十人をいれる教会なり/金子皆子
うろこ雲ゴッホの教会動かざり/関森勝夫
教会の鐘が目覚まし避暑の村/嶋田摩耶子
教会の芭蕉玉巻き昇天祭/景山筍吉「虹」
教会にハープのつどひ花八つ手/大島民郎
教会につどひてゐたる注連貰/若山すみ江
教会をかこむ倉庫やゼラニウム/大島民郎
雪投げをして教会にあつまり来/中村汀女
屋根屋根の霧教会の塔へ行く/池内友次郎
教会跡天にひばりを鳴かしめて/田村了咲
教会の扉の夜もひらき合歓の花/龍神悠紀子
教会のステンドグラスに夏日透く/中井啓子
山蛭落つスティーブ教会森に古り/石原八束
リラ冷えの教会にある忘れもの/大木あまり
菩提の実教会地下の核シェルター/渡辺祥子
拓地教会聖夜樹吊りの鐘鳴らす/下村ひろし
日暮れよごれる教会風が灯を持つ田/隈治人
俳句例:141句目~
黄落はげしこんなところに教会が/楠本憲吉
直叙の優しさで古いチャーチの階/伊丹公子
教会風の屋に向き月下ビールあふる/金子兜太
冬枯教会懺悔とび去る裏の原っぱヘ/伊丹公子
母の日や教会の柵のぬくもりも/鍵和田ゆう子
ナイサントクール教会の鐘鳴り響き/毛塚静枝
教会の雀の担桶に覚えあり/市川葉「小諸の空」
羽根折れ天使みた教会バザーの雑踏で/伊丹公子
青き踏む人吸はれ入るチヤーチかな/左右木韋城