花粉に関連した俳句の例をまとめました。
花粉を含む俳句例
椿の花粉紬の羽織に/喜谷六花
大空も頭の中も花粉満ち/桂信子
野牡丹の総紫の花粉まで/大橋敦子
昼花火虻が花粉に眼を汚し/上村占
椿落ちて花粉浮き出ぬ潦/西山泊雲
千年の杉の花粉を浴び詣づ/滝峻石
熊野詣や一山の椎花粉噴く/辻桃子
天皇誕生日の松の花粉かな/西山誠
横だよ山吹の花粉の粒々/北原白秋
一指弾松の花粉を満月へ/西東三鬼
御陵に松の花粉の雲起る/高浜虚子
喪ごころや花粉まみれの秋の蜂/林徹
烙印のごとくに胸の百合花粉/毛利令
晩春の花粉を浴びて女眠る/和田悟朗
温室の花粉に窓の曇りたる/近澤杉車
太子廟松の花粉を漲らし/阿波野青畝
海難碑松の花粉のけぶりたる/中拓夫
毛糸帽椿の花粉付けて来し/高澤良一
松花粉秋声文学碑を染めし/大野林火
山焼かれなむ銃床に降る花粉/仁平勝
俳句例:21句目~
駐車して杉の花粉に曇る窓/三星山彦
平成の杉の花粉の乱なりし/加藤静夫
前山の花粉霞と申すべし/佐々木六戈
幾度か松の花粉の縁を拭く/高浜虚子
蜜蜂の花粉の足が天へ向く/神野五穂
胸突坂杉も花粉を吐き尽す/和田祥子
遊船の楽にただよひ松花粉/伊藤京子
千年の神杉降らす花粉浴び/稲畑汀子
背の子の明暗松の花粉ふり/石橋秀野
口中に花粉あふるる螢の夜/齋藤愼爾
百合花粉君の睡りに鎖かけ/柚木紀子
袖口に菊の花粉や我が花粉/池田澄子
平野より山へ杏の花粉見に/田川飛旅子
持ち歩く百合の花粉が花汚す/右城暮石
鬼ゆりのあふれる花粉渇水日/坪内稔典
水打つて百合の花粉の漂へる/山西雅子
水馬松の花粉にゆきなやむ/軽部烏頭子
たれさがる花粉の紐や月見草/鈴木花蓑
注連さげし杉の神木花粉撒く/村上辰良
烈風の花粉にまみれ蝶つるむ/中島斌男
俳句例:41句目~
煙り散る松の花粉に気を転じ/星野立子
父母の杉より花粉童子かな/磯貝碧蹄館
生まるるは火傷なりけり松花粉/皆川燈
白紙に土筆の花粉うすみどり/後藤夜半
百合の花花粉流れし跡のある/岩田由美
石狩の花粉でよごす白き服/猪俣千代子
網干すや松の花粉の吹雪く中/幕内千恵
翌朝の月下美人の花粉かな/ふけとしこ
人に生浄土のえごに花粉季/加倉井秋を
薫風や滝のごとくだつ朴花粉/吉田冬葉
花樺の花粉がすみといひつべし/伊藤凍
佐渡見んと大虎杖の花粉浴び/宮坂静生
花粉まみれの蜂の脚蜂の貌/田中三樹彦
花粉得て雌花ときめき蔓南瓜/石塚友二
北に雪山松は花粉を北へのみ/大井雅人
花粉負ひ蹉く蜂でありにけり/岡澤康司
又松の花粉の頃に病める子よ/稲畑汀子
花菜の虻花粉運んで黄昏まで/高澤良一
啓蟄の虻はや花粉まみれかな/星野立子
落椿掃けば崩るゝ花粉かな/大谷碧雲居
俳句例:61句目~
蜂飛ぶや花粉まみれの足太く/小島國夫
象よりも淋しき日なり松花粉/村瀬誠道
大男杉の花粉に泣きながら/藤原わかな
関東は花粉に満ちて蟇のこゑ/藤田湘子
雀鉄砲綺羅の花粉の火薬付/佐々木六戈
青空や松の花粉のたちしあと/細見綾子
尼とゐて松の花粉に吹かれたり/井上雪
あぢさゐの花の花粉に黄色なし/森川暁水
あら壁に百合の花粉の触れし跡/渡辺茂子
花粉性昨日の脳が錆びるなり/鈴木八馳郎
野遊びの児の尻花粉まみれなる/江里昭彦
海女の笑ひ浴びて花粉を流す松/野澤節子
松の花粉みぢん鱒二の詩かかぐ/石原舟月
ぽつてりと椿に花粉政子の墓/殿村菟絲子
調律のピアノヘ花粉運ばれる/林田紀音夫
むき~に花粉こぼして卓の百合/奈良鹿郎
よく晴れて杉に花粉を飛ばす色/矢島渚男
蜂飼の家族をいだく花粉の陽/福田甲子雄
コスモスの花粉を吹けり黒表紙/田中裕明
花粉まふ土筆とみれば雨がふる/飯田蛇笏
俳句例:81句目~
水つかう見えぬ花粉が夜も流れ/花谷和子
窓開けて居られず松の花粉かな/稲畑汀子
人妻に致死量の花粉こぼす百合/齋藤愼爾
伽藍まで吹きけぶりたる松花粉/尾林朝太
分け行けば躑躅の花粉袖にあり/高浜虚子
生きてまた松の花粉に身は塗る/山口誓子
十五歳抱かれて花粉吹き散らす/寺山修司
吉野よく見つ松の花粉のとぶことよ/原裕
地下足袋に土筆の花粉水跳べば/大熊輝一
壮年期すぎるアカシアの花粉あび/穴井太
夕づくや見えねど杉の花粉散る/松村蒼石
太郎杉降らす花粉や地震あるな/青木重行
水澄むや花粉のつきし虫が葉に/藺草慶子
少年に小さきものの死夜の花粉/齋藤愼爾
日高しやおのづとけぶる松花粉/臼田亞浪
額の花ひすいの花粉葉にこぼれ/澤木欣一
峡いづる百合の花粉に肘染めて/野澤節子
ネクタイに椿の花粉つきにけり/和田耕三郎
ワイシャツの肩姫百合の花粉つく/京極杞陽
妻子置き来て桃の花粉がとぶ岬/大峯あきら