出会う/出逢うに関連した俳句の例をまとめました。
出会う/出逢うを含む俳句例
七十の恋姥月の出逢より/茨木和生
鼬捕仲間出会ひて話をり/鈴木杏一
鳴りやまぬ水の六月出会沢/山本悠水
春光出会い交わり汝生まる/高澤晶子
一群の芸妓に出逢ふ花見哉/正岡子規
買物の妻に出逢ひぬ年の暮/野村泊月
流れには遂に出逢はず蓬摘む/波津女
立ち泳ぐ埃と出会う秋の道/坪内稔典
虹生る滝と光と出逢ひては/稲畑汀子
木星の水と出会いの旱星/畠山あさみ
連翹や出会う人なき本籍地/西藤/昭
赤寺の鬼に出逢ひし昼寝かな/龍岡晋
冬浪や出会ひがしらの深廂/松山足羽
船長に歌問はれけり初日出/会津八一
春をしむ人に出逢ぬうゑ木店/多代女
春の川春の大河に出会ふなり/辻桃子
出逢ひたる雉に従ふ雌を見ず/森田峠
横町で巡査に出逢ふ夜寒哉/正岡子規
探梅やしきりに出会ふ薪車/西山泊雲
山と山出会ひ頭に三光鳥/市村究一郎
俳句例:21句目~
利根流域美女群浴に出会う/金子兜太
虎が雨化粧坂にて出逢ひける/矢田挿雲
七夕や異国に出会う親子鳥/丹後千代子
たまさかの出会ひ嬉しき夏衣/福島悦子
二上山の楪採りに出会ひけり/小野淳子
薫風と潮風出会ふところかな/岡田順子
山晴れの夜に出会へば田螺和/岡井省二
冬星や出逢の不思議ふと思ふ/山田弘子
顔見世の役者に出会ふ朝の橋/吉田哲子
春愁や旅の一句と出会ひたり/村井杜子
落鮎や旅の出会ひの一位箸/錫木千恵子
花菖蒲入江侍従に出逢いけり/金子泰子
松葉噛み山の男の出会い酒/伊坂石峰子
雲水と出会ふ花より淡きこと/本宮鼎三
生まれきて母と出会いし朝霞/高澤晶子
鎌倉の若葉の風に出会ひたし/川口咲子
金雀枝の黄に出会ふ風旅楽し/稲畑汀子
狼にまこと出逢ひし貌なりき/戸川幸夫
炎天下大きな犬と出会いけり/中田美子
出逢ひたる太き冬木に木の話/京極杞陽
俳句例:41句目~
重陽や出逢ひ約せし日の遥か/蒲みつる
虫売りと胡人の町に出会ひけり/日原傳
恐るべきわれと出会えり夜の霧/徳弘純
大蟇に出逢ひ山路の昼暗し/仙座公坊子
みちのくの短き秋と出逢ふ旅/稲畑汀子
幽霊へ出会ひがしらに一礼す/伊藤白潮
螳螂にしばしば出逢ふ小道哉/正岡子規
ババリアの市に出会ひし菊車/山田弘子
この出会ひ凶かもしれず鵙猛る/柴田奈美
ふりかへり大きな月に出会ひけり/桂信子
みささぎの大き春日に出逢ひけり/岸田稚
七夕竹流すに出逢ふ旅路かな/高橋淡路女
仮の世の出逢ひ別れや花は葉に/高橋秋郊
出会うもの皆知己となる春夕べ/別部春虹
出会ひの握力別れの握力秋始まる/今井聖
出会ふまで昼の椿でありしかな/柿木多映
初蝶と出逢ひしことを先づ記す/早川新作
初蝶の出会ひもありて祝の旅/飛岡みのる
別るるは新たな出逢ひ春炉燃ゆ/川口咲子
別当の坊も出会ひて矢数かな/坂本四方太
俳句例:61句目~
夏花摘む大き目鼻に出逢ひたり/宮岡計次
子の出会ふ修司の歌集草の花/小川田鶴子
存問のこころ花野の出逢ひにも/松本圭二
待ち合すともなく出会ひ生姜市/藤松遊子
御解夏の迎の駕籠に出逢ひけり/西山泊雲
忘れたとばったり出逢う棺の中/松坂凡平
梅早き伊豆の出会ひを重ねたる/稲畑汀子
托鉢の出会ひがしらや能登時雨/市堀玉宗
早乙女に出会ひぬ雨の古戦場/冨田みのる
洗面器やさしい春と出会いけり/森さかえ
浦上の弥撒に出会えり薔薇の雨/山下/菅
矛盾を捨てて来た冬月に出会う/伊藤完吾
種を蒔き終えし眼と出会いけり/久保純夫
約束の雪降つてゐる出会ひかな/増田宇一
紋白蝶風と出逢ひて風に去る/川島奈穂子
花衣出逢ひかさねて褪せにけり/長森直子
野兎の真面目な貌と野に出会ふ/松尾節朗
晴れしこと先づ秋風の出逢ひあり/稲畑汀子
曼珠沙華一語に出逢ふまで歩く/平井さち子
夜が二つ出逢えり朱欒手にのせて/渋川京子
俳句例:81句目~
古書市に出会ひて別れさくらんぼ/宮田和子
ネオン冬出逢つて話す広告マン/田川飛旅子
咳やんで遠くいたはる眼に出会ふ/谷口小糸
クルーズに灯下親しき出会かな/稲畑廣太郎
水と水の出会ひ蜻蛉の生まれけり/今瀬剛一
水仙の香りうつむきては出会ふ/岩淵喜代子
帰省子やばつたり出逢ふ稲かつぎ/飯田蛇笏
わが貌と出会ひし蛇にゆき途なし/中村苑子
見つめあふ出会ひ頭のごきぶりと/野中亮介
湧水見てサナエトンボに出会う径/高澤良一
迎え火や亡夫に出逢いし夢の中/鈴木喜久女
無人駅に立つ麦秋に出会いたく/木暮万里子
道二つ出会ひてゐたる青野かな/鷲谷七菜子
猪撃ちの下見といふに出会ひたる/田中由子
城跡を廻りて出会ふおいらん草/山根きぬえ
異國で出逢ふ櫻とボレロ愛しあふ/筑紫磐井
つややかなおかめに出会ふ一の酉/大口公恵
陽気よく伊那路の花に出逢はんと/高澤良一
神の鵜の列に出逢ひて喜捨もせる/柿島貫之
秋の夜の大きな犬に出会ひけり/八木林之介