俳句例:101句目～
島土産利尻昆布のピンからキリ/高澤良一
子に土産なく手花火の路地を過ぐ/大串章
藺刈賃もらひ土産の茣蓙もらひ/三木朱城
買ひ足りぬ帰省の土産駅で買ふ/小室梅子
林檎もぐ旅の土産に葉をつけて/田中照子
軽きが売り宮古岩海苔お土産屋/高澤良一
妻子らに早き帰宅が土産の冬/中戸川朝人
雪国を訪はん土産は何よけん/成瀬正とし
青丹よし奈良の土産の木彫雛/高橋淡路女
土産店買ひまどへるは落穂持つ/石川桂郎
土産店葉鶏頭にも旗を立て/長谷川かな女
いただきし伊勢の土産の鮑かな/笈木志津女
古玩具のばたばた日永の土産屋に/高澤良一
行く秋や軽ろきもの買ふ旅土産/高橋淡路女
サングラスかけて島の娘土産売る/磯野充伯
枇杷入りの土産あれこれ手を尽し/高澤良一
土産屋のものを鳴らして萩の風/中戸川朝人
これもこれもこれも土産よ梅雨畳/高澤良一
いとかろしローマ土産の夏帽子/鈴木洋々子
二三本京の日傘を土産にもと/阿部みどり女
俳句例:121句目～
土産に買ふめをとまんじゆう初聖天/関戸高敬
子の土産かへるでの葉は吾れにとて/木津柳芽
折る花の都の土産や枝くばり/ミノ亡人-俊興
木の葉鮓土産にと提ぐる間も馴るる/井沢正江
海女の投げくれし栄螺を土産とす/加藤三七子
逝く年の土産に刃物をつゝまする/金尾梅の門
誰れへ土産となく土瓶買ふ紅葉かな/渡辺水巴
土産屋の嫁となりたる日永かな/一寸木麻里子
露月忌や土産に持ちゆくいぶり漬け/椙原千和
フェリー発つ土産の餅のあたたかく/新/昇二郎
アマゾンの土産手編みのハンモック/栗原義人堂
土産屋の童女含羞むちやんちやんこ/穂坂日出子
よう来たと土産に持たさる栗ずっしり/高澤良一
でゆの主みづといふ菜を土産にくれし/高濱虚子
雀の声の故里のそこここへ土産を分ける/大橋裸木
山に入る神に土産の虎提げ/野崎ゆり香「小町塚」
富士の風や扇にのせて江戸土産/芭蕉「土芳筆全伝」
