断崖/きりぎしに関連した俳句の例をまとめました。
断崖/きりぎしを含む俳句例
風少し鵜ノ巣断崖初茜/鐙/正信
海冥く断崖峙てり祭笛/内藤吐天
磯菜摘断崖神の如く立つ/上野泰
外套の肩の断崖孤独かな/不破博
集材場断崖に組み蝮草/茨木和生
舟虫の断崖碧き油照り/巌谷小波
対馬とは只断崖の鱗雲/久米正雄
断崖の硫黄剥落して燕/古舘曹人
鰺刺や空に断崖あるごとし/林翔
断崖の隠れ湊に鳥渡る/関森勝夫
断崖に定員一の月見台/上田日差子
断崖を鷹の離るる潮かな/石田勝彦
顔上げず茅打断崖草刈女/沢木欣一
考への断崖にをる端居かな/上野泰
断崖に磯鵯のうた花御堂/大森杏雨
断崖を離れぬ鳶や彼岸潮/高井北杜
冬構断崖つづき佐渡も北/福田蓼汀
秋晴や断崖のわれ突き落せ/北山河
知床の断崖踏まへ尾白鷲/丸茂良子
断崖に立つ身と思ふ秋扇/久米正雄
俳句例:21句目～
断崖や滝の全重量を懸け/津田清子
夏汐に断崖にをはる崎ばかり/篠原
断崖に風の道あり花萱草/田村恵子
山吹の上の断崖底技けし/高澤良一
段丘の断崖のその冬の竹/石塚友二
岩燕死の断崖を塒とす/中野ちとせ
断崖の樹に青蜜柑油ぎる/津田清子
枯桑の断崖どつと千曲川/福田蓼汀
断崖に鵜の群憩ふ磯開き/川辺房子
枯桑に断崖どつと千曲川/福田蓼汀
断崖の深傷とみゆる蔦紅葉/源鬼彦
断崖の終止符のごと桜咲く/栃窪浩
断崖も海も語り部沖縄忌/中村富子
断崖の流人の墓や海紅豆/三好たけし
断崖を吹き上りくる風涼し/長谷川櫂
断崖の青萱さやに海日の出/内藤吐天
断崖へ一歩をのこし麦青し/栗生純夫
断崖へ松茸採りの足袋脚絆/岡田日郎
春の虹断崖に立つ聖十字/柴田白葉女
春愁の断崖掴むところなし/後藤綾子
俳句例:41句目～
一断崖ありて覗かず朝の朴/寺田京子
朝凪の天売断崖善知鳥鳴く/阪本和子
冬芒日は断崖にとどまれり/岡田日郎
海猫の翔つ夕焼の断崖白し/石原八束
火口湖の断崖を舞ふ秋の蝶/仙田洋子
百丈の断崖を見ず野菊見る/高浜虚子
土用浪の断崖喉に声溜めて/高井北杜
断崖に向かひ休めり登山馬/西田浩洋
夕闇の鼻しづかなり断崖/荻原久美子
夕雲に百合の断崖やはらげり/大串章
薊咲き断崖神の産屋置く/神尾久美子
足もとに雪の断崖湯沼見る/高濱年尾
山吹の垂るる断崖死の高さ/柴田奈美
遠目にも崖の濡れ鳥渡る/中戸川朝人
断崖でぶつたぎられて麦の秋/辻桃子
雪しろの断崖哭かす修羅落/巌谷小波
鷹の巣の断崖藤の花かけて/山口青邨
鷹の座は断崖にあり天の川/伊藤通明
断崖に人生濃ゆく夏帽子/梶山千鶴子
断崖に島極まりて雪霏々と/齋藤愼爾
俳句例:61句目～
断崖に立ちて干潟の人見をり/有働亨
断崖に羽張る海鵜春近し/畑中とほる
断崖に路はすかひや鮎の宿/滝井孝作
断崖のように砂まく飼育箱/対馬康子
断崖の上に手を振る夏帽子/荒船青嶺
断崖の塵吹き落す冬の海/吉岡禅寺洞
断崖の声松蝉でありにけり/小澤碧童
冬菫佐多の断崖日をとどめ/岡部六弥太
断崖をおろかに長き清水かな/尾崎紅葉
鷺翔んで断崖は冬まぎれなし/古川/進
断崖へ学んだ言葉きらきらと/滝口千恵
断崖の雪たれて落ちず海蒼し/西山泊雲
照りかヘしはげしき断崖島を巻く/篠原
カナリヤに夏の断崖感じおり/村山半信
断崖へ胸へ梅雨雲吹きやまぬ/中島斌男
断崖にとり縋る手の凍て痺れ/片山桃史
凍る断崖黄河文明起りし地/長谷川素逝
断崖に立ち鼻の差で生きる/津久井理一
大鷲の統べる断崖怒濤打つ/石垣軒風子
奥之院裏は断崖駒鳥啼けり/青木/路春
俳句例:81句目～
秋雪に断崖の澄みまさる日ぞ/飯田龍太
断崖にして浸蝕の鵜捕り小屋/東野庭子
断崖に海のめくれる仏生会/中尾寿美子
赭土の断崖のもと凍る黄河/長谷川素逝
断崖や絶望のために由来絶景/橋本夢道
断崖のごとくに涅槃図を仰ぐ/中岡毅雄
断崖を槍の如くに蛇落ちぬ/大久保橙青
断崖に波立ちあがる石蕗の花/岡本芳子
断崖より風ひいやりと春の海/大津雅子
断崖の木枯のこゑ嗄れきたる/藤田湘子
霍乱や王家の谷の断崖は炎ゆ/石原八束
断崖の怒濤見て立つ日傘あり/大橋敦子
断崖に怒濤見て立つ日傘あり/大橋敦子
断崖の裾の寸土に菜を咲かす/阪本謙二
断崖の眉目に迫りほととぎす/荒井正隆
夏潮の断崖にわが供華は赤/大峯あきら
断崖に一歩近づく草いきれ/吉田満梨女
断崖へ乗り出して散る桜かな/瀧澤宏司
枯れはげし海鵜の城の断崖は/羽部洞然
断崖の下いと小さくふのり掻/東中瓊花
