牛/馬冷すに関連した俳句の例をまとめました。
牛/馬冷すを含む俳句例
裸馬騎手も裸洗ふべく/石塚友二
馬冷す大河を渡る旅日記/星野椿
自らも胸まで浸り牛冷す/中村豊
牛洗ふ角をつらねて広島忌/原裕
牛洗ふ人の声聞け宵祭/加舎白雄
夕波に手綱遊ばせ牛冷す/三浦正治
うき草や動かずに居る冷し馬/紀逸
遡る瀬の町余なる冷し馬/下村槐太
牛冷す山の水来て力張る/小林康治
船火事の夢覚め朝の馬冷す/皆吉司
山上の湖に馬冷やしたる/小林洸人
川宿の向ふの岸の冷し馬/菊池木亭
冷し馬鋼のごとく宙とばす/岸田稚
馬遠し藻で陰洗う幼な妻/金子兜太
馬洗ふ人夕顔に動きけり/籾山柑子
臼洗餅や牛にも夜食草/中戸川朝人
冷し牛いま穴道湖の夕映に/原久南
昼顔の汀に馬を洗ひけり/寺田寅彦
冷し牛胴震ひして水弾く/大塚華陽
水浴女の辺を一散の冷し馬/岸田稚
俳句例:21句目~
大海に生きものひとつ冷馬/福田蓼汀
馬洗ふ樋に提灯や霧の川/岡本癖三酔
馬洗ふ水より淡く月ありて/下鉢清子
方言の亡ぶさびしさ牛冷す/谷口雲崖
木も家もなき風景に冷し牛/宇咲冬男
オアシスの流れ少年馬冷す/中島真沙
東北の御寺みてから冷し馬/阿部完市
水高く蹴つて上りぬ冷し馬/大南耕志
冷されし馬のふぐりの夕焼色/岸田稚
漆黒の背に沖のあり冷し牛/向野楠葉
濡れし蹄さし足がちに冷し馬/岸田稚
牛冷すホース一本暴れをり/小川軽舟
絶海の死火山の裾牛冷す/野見山朱鳥
冷し牛松に隠れてなまめける/齋藤玄
洗ひ馬利根に三角波立つ日/村山古郷
辛うじて水ある川に牛冷す/二宮貢作
冷し馬ゆききの橋の高々と/松村蒼石
馬冷す牧の中なる流れかな/鎌倉啓三
勝牛も負牛もいま洗わるゝ/山田聴雨
咽喉袋つかみ潮かけ牛洗ふ/中島斌男
俳句例:41句目~
冷し馬潮北さすさびしさに/山口誓子
夏川や城を出て来て馬洗ふ/竹村秋竹
山中のいづこ雷雨か洗ひ牛/村越化石
冷し馬貌くらくしてゆき違ふ/岸田稚
川下に牛洗ひ居る御祓かな/西山泊雲
洗ひ馬掛鍬の端も闇に浸り/香西照雄
牛洗ふ少年頭べ下げにけり/萩原麦草
牛洗ふ童が叱なかなかに/大橋櫻坡子
盆の道馬洗はれて通りけり/中山純子
馬洗ふ川すそ闇き水鶏哉/立花北枝/
受胎して眸やさしき牛冷やす/西村琢
噴煙のかくす夕日や馬冷す/小路紫峡
馬洗ふ梅雨のすげ笠最上川/細見綾子
大橋の影落つところ冷し馬/磯野充伯
冷し牛夕日いよいよ真赤なり/村山古郷
身に入むや馬も洗ひし有馬の湯/赤松子
のしかかる巨き山影馬冷やす/伊藤虚舟
七夕の夫婦して牛洗ひをり/馬場移公子
ゆく船の水脈の及べる牛冷やす/藤田宏
サロベツの果なる沼の冷し馬/岩崎照子
俳句例:61句目~
船旅の大河米磨ぎ牛冷やし/伊藤いと子
洗ひ牛葛真つ青に昏れはじむ/石田波郷
冷されて礁のごとし岬の牛/冨田みのる
黍の中に洗ひし馬の光りかな/籾山柑子
冷し牛巌のごとく昏るゝなり/山本孕江
虻せはし肉うちふるふ洗ひ馬/飯田蛇笏
馬洗う原子力船『むつ』帰る/児玉悦子
御岳にもらひし水に馬冷す/春日井秀夫
急流の牛につかまり牛洗ふ/黒坂紫陽子
冷し馬極楽づらをならべたり/三村哲田
勝牛を洗ふに卯浪はしり来る/羽田岳水
冷し馬耳だけ動きをりにけり/河野美奇
火の山の今日の機嫌や馬冷す/小路紫峡
馬冷す加茂の宮過ぎ新婦訪ふ/宮武寒々
玄奘の馬の裔にて洗はるる/鳥居おさむ
牛を診し手を洗ひをり飾臼/戸塚時不知
霊廟のうしろは大河牛冷す/佐々木六戈
牛冷す如耕耘機川に入れ/伊予田/六洋
夕焼けて埴輪となんぬ洗ひ馬/出口孤城
太陽を逃るすべなし牛冷す/佐久間庭蔦
俳句例:81句目~
山の影山より濃くて冷し牛/文挟夫佐恵
遠賀なる川筋痩せて牛洗ふ/下村ひろし
青高野よりの流れに馬洗ふ/つじ加代子
馬あまた湖に洗ひて戦めく/殿村菟絲子
馬洗ひ去るさび色のさざれ石/成田千空
蝙蝠の橋より手綱馬冷やす/小原菁々子
川悠々米研ぐ横に牛冷やす/相馬沙多子
夕べ濃き阿蘇の噴煙牛冷やす/大捕八重子
代牛のよく洗はれてもどり来し/豊田一兆
盆三日はやばや馬を冷やしけり/松村蒼石
少年のなすままに馬洗はるる/寺島ただし
引きよせて野分の馬を洗ひけり/岩田昌寿
いつまでも暮天のひかり冷し馬/飯田龍太
牛いよよ漆黒となる冷やされて/田辺ふゆ
普段着はよく洗われる五月の牛/武田和郎
洗ひ馬首をよせては叱らるる/木治屋和子
馬冷すための流れでありしとか/川口咲子
むかし馬冷やせしところ河童淵/鷹羽狩行
冷されて牛の貫祿しずかなり/秋元不死男
冷し馬暮色のなかに眼をひらく/松澤鍬江