俳句例:101句目~
湯ざめして一日の遠くなるおもひ/片山由美子
テレビ見る子を湯ざめると叱りけり/吉田守一
湯ざめして遥かなるものはるかなり/藤田湘子
湯ざめしてなほ書きつづけゐる手紙/岩崎照子
湯ざめしてよりちかぢかと汽車の音/細川加賀
眉画くや湯ざめこゝちのほのかにも/清原枴童
化粧ふれば女は湯ざめ知らぬなり/竹下しづの女
湯ざめしてのちのちのさもあらばあれ/長谷川双
湯ざめして眉のあたりのうつろなる/片山由美子
湯ざめしてどうでもよいと思ふこと/片山由美子
湯ざめしてにはかの山気かむりけり/上田五千石
湯冷めしてコントラバスに抱かれをり/朝吹英和
ぬかるみをひしよ~かへる湯冷めかな/森川暁水
湯ざめしてかつぱえびせん止まらない/内田美紗
わが部屋に湯ざめせし身の灯を点もす/中村汀女
白湯のんでさらさら湯ざめなどもなく/新井光子
湯ざめしておのれに聞かす二た三言/鷲谷七菜子
耕二の死以後を湯ざめのごとくをり/能村登四郎
ゆずの香の湯ざめごこちになほのこる/田中冬二
つぎつぎに星座のそろふ湯ざめかな/福田甲子雄
俳句例:121句目~
髪結ふに手間とりすぎて湯ざめかな/宇佐美輝子
そこまで天の川、湯ざめすまじき羽織を借り/荻原井泉水