手術に関連した俳句の例をまとめました。
手術を含む俳句例
粉雪の尖塔手術了へし頃/林信江
山かすみつつ母擁く手術前/原裕
手術後の初の入浴髪洗ふ/新純子
癌手術すみ北窓の桜満つ/小原俊一
手術の日冬空少し汚れけり/森田峠
手術終へ新宿の町天高し/近藤良一
餅花の夜を煌煌と手術棟/市川/葉
手術室廊下の外は春の雨/吉屋信子
手術室氷雨の街と相隣る/横山白虹
雲の峰夫の手術の刻迫る/品川鈴子
手術着に子の血一点青嵐/毛塚静枝
難病も手術成功春近し/久保埜ハナ
寒星の弾ける音す手術室/長山遠志
枕辺に鈴蘭手術前夜なり/品川鈴子
手術痕改め入る冬至風呂/高澤良一
秋寂びて縦一文字手術痕/高澤良一
悴みて印押す手術承諾書/毛塚静枝
冷房裡オペ顛末記筆談に/高澤良一
晒一反ふんどし三本オペ前夜/穴井太
汗拭いて縦に走れる手術痕/高澤良一
俳句例:21句目~
手術後の六尺地獄梅雨暑し/伊東宏晃
手術着に所詮孤りとなる裸/高澤良一
手術了ふ裸形包める花浴衣/石川文子
手術受く體落花に祓はれる/品川鈴子
手術経て苺つぶせり左手に/石田波郷
明易きことの救ひや手術あと/橋本博
掃除夫も手術帽せり栗の花/石田波郷
川の音の十灯生きる手術室/寺田京子
耳までの涙痕手術後の午睡/品川鈴子
手術経し腹の中まで秋の暮/藤田湘子
息長き暮春の一鐘手術前/平井さち子
大綿や医師季石いま手術中/細川加賀
古団扇扇ぎて去年の手術譚/高澤良一
神無月毅然と手術勧めけり/杉山哲也
白木蓮は念の卵「手術中」/熊谷愛子
手術すみて月の朧を枕上み/松村蒼石
手術せし腹にひびきぬ初笑/浅井八郎
鶏頭を抜く力失せ手術以後/朝倉和江
梨花の冷え手術の足の白枕/中戸川朝人
眼の手術秋の山川晴れをらむ/栗林千津
俳句例:41句目~
神の留守身に一文字の手術痕/小菅暢子
蘭に水少し足しゐる手術前/佐藤ちさと
身に沁むや宇宙船めく手術室/佐藤信顕
霙るるや手術済む犬引取りに/山田節子
髪洗ふ手術を明日の胸しづめ/朝倉和江
一月の手術台にのびのごとく/浅原六朗
六日夜も灯のついてゐる手術室/石井保
冬椿二度目の手術予定立つ/三田地節子
鹿子草こたびも手術寧からむ/石田波郷
冬鵙や手術の髪を切らぬ意地/朝倉和江
冴えかへり手術の話遠ざかる/朝倉和江
冴え冴えと手術待つ夜の白枕/毛塚静枝
オペあとのベット六尺夜長星/島田春海
夕焼より淡き花買ふ手術以後/鈴木鷹夫
大くま座教えて諭す子の手術/対馬康子
刻々と手術は進む深雪かな/中田みづほ
手術の灯春めく色と思ひ浴ぶ/牧野春駒
手術まつ遅日の玻璃戸灯りぬ/石原舟月
手術三日受胎の夢を見る薄暑/星野明世
手術了ふ此岸の朝の夾竹桃/市川豊喜治
俳句例:61句目~
手術受く七夕色紙書きのこし/牧野春駒
手術径てはじめての雨枯園に/石田波郷
手術待つわれ浅春の木々の形/栗林千津
手術待つ一夜一夜にきざす秋/朝倉和江
虫減る中手術へ一日一日臥す/石田波郷
手術痕無慚に春の湯透明に/柴田白葉女
手術衣に糊のこはばる夜寒哉/中川宋淵
新樹に鴉手術室より血が流れ/西東三鬼
冬竹の青しんしんと手術痕/鍵和田ゆう子
春の夜の手術痕撫で寝入るまへ/高澤良一
春寒きおのれ消えゆく手術台/加藤知世子
ねむらねば手術を明日の五月闇/影島智子
彼の夏に手術などして早や五年/高澤良一
朝日さし手術承諾書の印の朱色/住宅顕信
レーザー光線が夏の諧調手術室/伊丹公子
手術して一年経つかビール注ぐ/高澤良一
凍蝶となりねむりたし手術の夜/朝倉和江
枕べに蝌蚪やすみなき手術以後/石田波郷
神の留守手術の前の風呂に入る/石井敏夫
手術日を告げ涼風と医師去りぬ/中嶋秀子
俳句例:81句目~
手術後の医師白鳥となる夜の丘/金子兜太
手術苦に不眠苦つづく業の秋/下村ひろし
梅雨寒のわが生きて醒む手術室/伊東宏晃
手術成功汗透明に部署ほどく/平井さち子
手術まつ窓が切りとる枯れし梢/横山白虹
手術後の目の見え過ぎよ万愚節/毛塚静枝
手術台ライトの中に花野あり/本郷けさみ
手術などそんなこんなの一年で/高澤良一
縛されて花菜いろなる手術の灯/高井北杜
花圃に水汲める見てをり手術前/石田波郷
花茣蓙に餘す手足よ手術経て/石田あき子
手術後のわがおぼろ夜の管二本/折井紀衣
手術台の五月の冷の外は覚えず/宮原双馨
手術後の安静に似て植田あり/松倉ゆずる
身の秋や手術を明日の心電圖/下村ひろし
追儺豆拾ひて攣るる手術あと/中戸川朝人
夫を呑みし春昼の壁「手術中」/熊谷愛子
夏めくや淡きみどりの手術着も/大島民郎
手術着と香水の香とすれちがう/藤本清子
手術待つ我に生きよと犬ふぐり/山本歩禅