俳句例:101句目～
釣り橋の下手にありて一の簗/芦沢ふで
吊橋をひっぱっている烏瓜/海川すゞ子
吊橋をゆらして渡る夏帽子/中島千恵子
吊橋を渡る夕立の濡らせしを/大野林火
夏山や釣橋かけて飛騨に入る/前田普羅
釣橋の下深ぶかと春日かな/大場白水郎
屠所遠く見る吊り橋や竹の秋/飯田蛇笏
雪の吊橋足あと残すこと怖る/吉田紫乃
海桐咲き磯の吊橋潮さして/水原秋櫻子
吊橋や利根もほそりて落花の瀬/大島民郎
お命講の町出はづれて吊橋に/赤堀五百里
吊橋のこよひ錆びゆく鵺の声/渡邊千枝子
吊橋に突立つ一本のガラス棒/宮川としを
吊橋に秋思の指を添はせゆく/藤沢紗智子
吊橋に懸巣の下りて谿くらし/水原秋櫻子
吊橋をがんじからめに蔦紅葉/猿橋統流子
身に残る吊橋の揺れほととぎす/川村紫陽
河鹿鳴く夜の吊橋を人きたる/水原秋櫻子
吊り橋のゆるる彼方や雲の峰/市野沢弘子
乙女らはかすみの光り吊橋揺り/長谷川双
俳句例:121句目～
釣橋に夜は明けてをり小鳥狩/石橋辰之助
吊橋の揺れ身にのこる秋暑かな/黒田房栄
よくゆるる吊橋なり去年今年/加藤三七子
吊橋や茸採りのほか往き来なき/手島靖一
めまとひを払ひ吊橋揺らしたる/中村青峯
なくなりし吊橋を恋ふ帰省かな/吉水能子
しなやかに吊橋わたる狩の犬/三田きえ子
こがらしの吊橋渡らねばならず/加藤三七子
釣橋の懸け替への議を囲炉裏かな/野村喜舟
霜の吊橋独りでわたる一人の揺れ/品川鈴子
小梨日和の吊橋やはり揺つて渡る/伊丹三樹彦
ハンカチをたたむ後や大吊橋/永島靖子「眞晝」
吊橋にまた一家族子供の日/吉村ひさ志「ホトトギス」
