階段に関連した俳句の例をまとめました。
階段を含む俳句例
階段に及ぶ解体桐の花/汎馨子
箱階段下りる足音新豆腐/桂信子
階段の真中は奈落額の花/岬千恵
階段の下の夜明の醤油瓶/金子晉
杉板の厚き階段鮎の宿/茨木和生
湖に天使の階段白鳥来/高澤良一
裏白や鉄階段の子の住居/辻男行
灯台の石の階段春寒し/中谷厚子
二次会の階段狭き年忘れ/斉藤節
学校の階段怖い夏休み/太宰真依子
まず階段また階段や遠霞/田中朋子
階段の上のくらがり年忘/藺草慶子
黄昏の階段上がる花鳥諷詠/津田栞
階段の頭注意の夜長かな/石田勝彦
木の階段石の階段開山忌/塩川雄三
萩月や箱階段の小抽斗/杉戸由紀子
七月の海階段の小窓にも/茨木和生
下校時の闇の階段滝の音/東江万沙
階段の途中に座る句読点/今川知巳
守宮出る頃の階段脇の壁/高澤良一
俳句例:21句目~
二階まで軋む階段遍路宿/塩野邦江
階段に泥足乾く涅槃かな/角田竹冷
寒泳の急階段を降りてゆく/長田等
花びらの階段に散り昼の客/桂信子
陸橋のらせん階段樟若葉/森田たえ
加茂川に水の階段通し鴨/佐藤康典
迷路めく階段冬の夜の新居/皆吉司
白壁高高と爽か大階段/池内友次郎
春の月階段に掛けあるは鞍/中田剛
恋の猫島の階段踏み外す/生川春枝
白足袋や箱階段の黒き艶/今泉貞鳳
階段はのぼり専用芒原/吉田千賀子
階段を足で探れり春の闇/萩山栄一
とんとんと上る階段年忘れ/星野立子
立春や目の前に階段のあり/佐藤和枝
秋燈にある階段の上り口/波多野爽波
空へゆく階段のなし稲の花/田中裕明
二階への階段暗し鱧尽くし/森田智子
今年竹階段二だんずつ登る/梅田玲子
若き猫霧の階段を見上げる/金子皆子
俳句例:41句目~
地へ沈む階段誰の背も月影/伊丹公子
狩宿の階段ころげ落ちしひと/辻桃子
地下街へ続く階段蝿生まる/橋高辰男
船宿の外階段のしぐれけり/行方克己
師へ運ぶ燠階段の闇に赤し/香西照雄
拭き了へし階段に腰かけて秋/岡本眸
晩夏の月のぼる医院の裏階段/穴井太
れんこん屋の急な階段蜆汁/田中冬二
東風強し駅階段の旅装群/徳永山冬子
楽屋への階段急に良夜かな/宮武寒々
階段が土間へすとんと狩の宿/見学玄
階段が暗くて怖い花の館/後藤比奈夫
階段が無くて海鼠の日暮かな/橋間石
階段で四、五日迷う春の寺/西川徹郎
階段にズボン脱ぎ捨つ雪の夜/皆吉司
階段に二段目があり夕の鵙/大野龍児
階段に拾ふくちびる福笑/鳥居真里子
階段の壁が遊び場守宮の子/高澤良一
階段の裏にわれある夜食かな/小澤實
階段の裏みて裏みて棺おりる/上月章
俳句例:61句目~
守宮など出る頃階段脇の壁/高澤良一
ぎしと梅雨箱階段の三段目/鈴木鷹夫
階段は姉妹で蘆見るところ/鈴木鴻夫
階段を上る音煖炉燃ゆる音/高木晴子
階段を来る薔薇色の家族計画/仁平勝
階段を河原菊まで運び去る/攝津幸彦
階段を秋の途中と思うべし/鳴戸奈菜
灯の暗き階段席の夜学かな/前田白雨
鱧食べに箱階段を上りけり/三宅福子
階段に砂のあがれる藜かな/山西雅子
アパートの外階段や木瓜の雨/神田綾美
階段に雨くる鳥羽の僧正忌/夏井いつき
落日のもっともしみる木の階段/穴井太
階段の下に声かけ春の月/長谷川かな女
蟻上る階段上は他人の室/長谷川かな女
黒南風や階段にある息づかい/二村典子
初髪の尻階段をのぼりゆく/柳家小三治
うつうつと石の階段柳絮とぶ/小池文子
階段がやたらとひびき鴨の宿/三村純也
階段がポインセチアの鉢の数/清水忠彦
俳句例:81句目~
あまたミサイル空の階段見失う/穴井太
階段の長さを仰ぐ小暑かな/宮川みね子
守宮出る家となりしか急階段/高澤良一
水へつゞく階段つばめが翻える/穴井太
着ぶくれて否応なしの外階段/加藤正尚
秋寂ぶと鉄の階段鳴らしけり/内田美紗
階段を手さぐり梅雨の日吉館/大島民郎
大年の階段に腰かけてゐる/和田耕三郎
古へに続く階段冴返る/心峙/大島豊信
冬霧に短かい階段とび降りる/横山白虹
階段に坐る少女や梅雨に入る/西田/弘
青山椒階段ふんで妻もたらす/沢木欣一
酔うてまた階段降りる雪の夜/対馬康子
麦秋となるはらわたも階段も/安井浩司
人参をくふ階段のあかるさに/飯島晴子
くずざくら外階段を降りてくる/栗林千津
階段の途中はながい秋だった/津沢マサ子
見えない階段見える肝臓印鑑滲む/堀葦男
こおろぎの闇へ階段おりてゆく/山本千之
遺書一枚外階段を降りてくる/渡辺誠一郎