俳句例:101句目~
おぼろ夜の胸の砂漠をだれか行く/長浜聰子
月の砂漠わが佇ちて生む月の陰/つじ加代子
ところどころ緑萌え立つ砂漠かな/正岡子規
ゴビ砂漠夜寒に佇ちて星を見る/松枝まち代
砂漠なる土蹴つてたつばったかな/依田明倫
月の砂漠へ行く自衛隊菜の花忌/伊津野功一
眼を閉ぢて月の砂漠に暫し立つ/池内友次郎
砂漠の風智恵の木の実の熟れ季ぞ/津田清子
砂漠の映画見て海雨の街傘ささず/田中英子
無方無時無距離砂漠の夜が明けて/津田清子
火事のごと砂漠町現れ夕焼くる/嶋田摩耶子
死の砂漠展けて遠き雪の嶺/セリグマン和佳人
ニューメキシコの砂漠に舞ひし蜆蝶/仙田洋子
砂漠から山羊を連れ戻さねばならぬ/津田清子
しんしんと砂漠に冷ゆるピラミッド/田中清子
砂漠に病みし日より天の川ものを言ふ/加藤秋邨
砂漠かなコンサートホールにかなかな/金子兜太
砂漠への積み荷のなかの団扇かな/坊城としあつ
新大陸ノ中心ノ砂漠ニ深ク句点ヲ打テ/夏石番矢
子ら泳ぐ川は砂漠に消ゆる川/木暮剛平「飛天」
俳句例:121句目~
湾岸危機回避できない砂漠のガラガラ蛇/古川克巳
砂漠の木/I/DO/NOT/KNOW/日本人/津田清子
レモンスカッシユのんで砂漠にゐたりけり/多田薙石「鶴俳句選集」
ありありと見ゆる砂漠に動くものなくて無数の襞はしづまる/佐藤佐太郎