俳句例:101句目～
石段の落葉ふみ～上りけり/久保田万太郎
石段にとまりて鳴ける雲雀かな/高橋馬相
椿に懸りて石段高し何処までも/河野静雲
石段をひとつ抜かしに秋に入る/鎌倉佐弓
石段に葉洩れ日ありて枇杷の花/田中冬二
石段を押しのぼせたる神輿かな/野村泊月
石段に並べてありし木の実かな/野村泊月
少年の散りたる石段蜥蜴の尾/山下トヨ子
石段をひろがりのぼる遍路かな/皆吉爽雨
この石段どこまで椎の実に打たる/西村公鳳
石段をのぼりかけたるシヤボン玉/鈴木貞雄
石段に少しはずんで木の実落つ/菊地美智子
石段のいま照つてゐる彼岸かな/大峯あきら
石段のそらをわたれる落花かな/大橋櫻坡子
石段をけぶらす茶屋や山ざくら/大橋櫻坡子
蓮華寺の花の石段み上げけり/久保田万太郎
石段にふめよと落ちし椿かな/久保田万太郎
避寒宿まづ石段をあがるかな/久保田万太郎
ヘップバーンの座せし石段氷菓食ぶ/藤井吉道
下りかへすとき石段の寒さかな/久保田万太郎
俳句例:121句目～
石段をみ上げても日の永きかな/久保田万太郎
石段を下りわづらふや今日の月/久保田万太郎
石段を下りて壬生へやをけらの火/松根東洋城
墓へ急な石段となる草たけつくし/栗林一石路
石段下りし人に踏まれて枯木影/阿部みどり女
廃墟の石段のぼる朝日が眉間で濡れ/伊丹公子
石段のぬるゝにはやきしぐれかな/久保田万太郎
われも下りてゆく石段の凍てゆがみ/飛鳥田れい無公
祭礼の旗ひるがえる石段を空に向かいて昇りし日ありき/光栄堯夫
