俳句例:101句目~
寝顔まだあどけなき子に大試験/山田弘子
煙草知りそめたる頃の大試験/成瀬正とし
消ゴムの魂抜けまろび試験果つ/桂樟蹊子
風が研ぐ葉無き南天試験ばかり/香西照雄
芙蓉咲けり試験期近き風の音/落合伊津夫
大試験子と新宿でカレー食ぶ/栗田やすし
大試験始まつてゐる廊下かな/徳竹芽萌子
子等に試験なき菊月のわれ愉し/能村登四郎
大試験近づく日々のカレンダー/成瀬正とし
小さく膝とぢ試験場に吾子もゐる/今瀬剛一
真夜中に寝る子起きる子大試験/及川青山子
椅子固し試験にのぞむ目をつぶる/桂樟蹊子
大試験終へし目に彼女が来るよ/成瀬正とし
大試験来るとラガーを校庭に見ず/岸風三楼
あす試験の子を眠らすや梅の月/大谷碧雲居
試験終へし子に踏まれたりかぶと虫/杉本寛
ヂキタリス褪せ果て試験了りたり/上野茂竹
大試験終り出て来て木にもたれ/成瀬正とし
鉛筆折れ消しゴムころげ大試験/成瀬正とし
子の試験終ひて母の土筆つみ/スコット沼蘋女
俳句例:121句目~
懐炉入れて淋しく試験受けにけり/五十嵐播水
大試験終へてやさしき娘となれり/稗田富貴子
大試験了へたる双児の爪伸び居り/中村草田男
テニスちよつと見てすぐ試験監督へ/井本農一
制服がジャケツ締めつけ試験期なり/香西照雄
金玉明日は歴史の試験かな/高柳重信「前略十年」
芝生のロダンの像/試験はおわった様子/野田宇竹