俳句例:101句目~
栗鼠はしる音に歩を止む木の芽晴/つじ加代子
リスの子に筆の穂ほどの芽からまつ/吉野義子
髪梳いて胡桃の栗鼠を待つこころ/稲垣きくの
胡桃/栗/花咲く小屋よ栗鼠呼んで/八牧美喜子
栗鼠が食む木の実のすべてうまさうな/鈴木貞雄
栗鼠にパン盗まれしてふキャンプかな/岡田安代
縞栗鼠の跳ねてはゆらぐちんぐるま/行廣すみ女
避暑期きて栗鼠おどろかすことばかり/稲垣きくの
芽吹くものばかりでリスの速さを追う/内海かつ子
こけももの実と栗鼠の眼とまだねむし/中戸川朝人
秋立つとしきりに栗鼠のわたりけり/久保田万太郎
栗鼠がかくれし木の穴へ雪降り出せり/田川飛旅子
金網の秋の空栗鼠に尾の豊かに飛べり/安斎櫻カイ子
栗鼠跳んで尾の炎めく花胡桃/杉山やす子/『梅東風』
朝涼や栗鼠がきて食ふ花メロン/軽部烏頭子「さしの花」
熟睡子を栗鼠来てのぞくハンモック/野辺祥子/『遠野火』
すたれたる井戸の小径ゆ栗鼠ひとつー跳びて林にかくれたるかも/三好達治