栗鼠に関連した俳句の例をまとめました。
栗鼠を含む俳句例
鐘楼に栗鼠とび移る青嵐/池田慶子
百千鳥酣にして榛の栗鼠/飯田蛇笏
栗鼠の春並木の果に塔光り/有働亨
裏山の栗鼠が来てをり避寒宿/堤京子
栗鼠飛んで爽涼騒ぐ樅の枝/石塚友二
灌木を三月の栗鼠生剥ぎに/高澤良一
新緑に栗鼠の神出鬼没かな/神田貴代
冬山の窪みはリスの貸金庫/百木千木
美しき栗鼠の歯型やーつ栗/前田普羅
臘八会栗鼠が走りて塵少し/牧岡歌子
囀や幹の蔭より栗鼠のぞき/山本歩禅
飄々と栗鼠跳ぶ迅さ十二月/堀口星眠
墓域抽く櫟直々栗鼠とばし/成田千空
リス跳ねて雨の重さの八重桜/吉野義子
栗鼠の子に胡桃落して森は母/山田孝子
栗鼠跳んで露の日輪森を出づ/堀口星眠
幹なめて人忘れをり春の栗鼠/堀口星眠
栗鼠が子を咥へ小走る木下闇/星紫陽子
寒施行栗鼠も来てゐる屋敷神/水上/勇
素早さは栗鼠の身上青木の実/田中水桜
俳句例:21句目~
寒林の栗鼠が落ちこむ空ま青/龍居五琅
リス走りゆれる小枝や新松子/常原公子
餌付栗鼠空飛んで来る紅葉晴/棚山波朗
秋風や栗鼠が驚く尾を立てて/羽部洞然
栗鼠はしりゐる春泥の葡萄園/仙田洋子
冬の栗鼠樅の青波乗りゆけり/堀口星眠
栗鼠走りゆく廃線となる鉄路/対馬康子
時頼忌親しみ貌に栗鼠現れて/河野南畦
山寺や月見てあれば栗鼠が鳴/石井露月
探梅や栗鼠の声する円覚寺/駒形祐右子
栗鼠の死に青深みゆく秋摩周/文挟夫佐恵
雪の栗鼠樹のうら側へ葬の楽/田川飛旅子
つゆ霜に栗鼠のしはぶく林かな/三好達治
露涼し芝生につきし栗鼠の径/神田九思男
ぼろ市や児を釘づけに栗鼠の籠/佐藤瑠璃
栗鼠が捧げ大森林へ消える神託/伊丹公子
谷の梅栗鼠は瀟洒に尾をあげて/飯田蛇笏
冬霧にぼう~としてリスの尾よ/高橋馬相
初富士の輝やく窓にリス踊る/碓井のぼる
囀りも栗鼠も石斫るおとに馴れ/西本一都
俳句例:41句目~
団栗を栗鼠より先に拾ひけり/鈴木はつ子
墨の香や栗鼠の聴耳すずしとも/宮坂静生
栗鼠のごとし聖菓包装する指は/辻田克巳
栗鼠つひに胡桃を割りし日暮時/堀口星眠
小雀居てリス居て島の展望台/山田裕理子
山門の栗鼠はつとせり椿落つ/八木林之介
強霜や栗鼠と遊びて日の出待つ/伊藤敬子
旅人に栗鼠は木の実を抱きたる/中島藤女
春の靴齧りに駆けて来る栗鼠よ/仙田洋子
栗鼠あそぶ氷河の裾の花野かな/城谷文城
栗鼠が踏み傾けにけり山の蕗/田川飛旅子
栗鼠を追ひ異国の露に膝濡らす/毛塚静枝
栗鼠入れしボールころがる箪/中戸川朝人
栗鼠飛んで夏の朝日は白樺に/中山砂光子
栗鼠渡る秋深き樹を皆仰ぎ/阿部みどり女
栗鼠馴れて榧の実かくす寺の畑/黒木野雨
枯るる頭を潜望鏡のやうにリス/高澤良一
栗を売る少女の頸の栗鼠に似て/川端青踏
考える栗鼠針葉樹から陽の散弾/伊丹公子
蝦夷栗鼠の胸白く夏冷えにけり/堀口星眠
俳句例:61句目~
栗鼠の尾の土牢を掃き春遅し/大木あまり
峡の子の栗鼠を飼ひつつ夏休み/加藤楸邨
雪の山からくる栗鼠に林檎置く/和知喜八
さかしまに栗鼠のはりつく冬木かな/日原傳
どんぐりに栗鼠の歯型よ新月なり/村越化石
栗鼠と懸巣が棲む大学の胡桃の木/伊藤敬子
牧神の髭白しと栗鼠は巣にひそむ/内藤吐天
朝から栗鼠のごとく働き秋草挿し/鈴木栄子
三月やうつつに栗鼠のよこぎりて/小池文子
スキー戻りの車中や栗鼠の骸携げ/北野民夫
栗鼠跳ねしあとゑくぼなす春の雪/宮津昭彦
栗鼠跳ねて深山落葉の音覚ます/鷲谷七菜子
栗拾ふ栗鼠の歯型のつくものも/田中佳嵩枝
落胡桃運び去りしは栗鼠のわざ/花津谷鼓草
藪巻のふところがくれ栗鼠あそぶ/掛札常山
栗鼠跳んで背の縞遺る霧の崖/鍵和田ゆう子
夏百舌鳥の騒ぐは栗鼠に挑むらし/堀口星眠
走りてもとびてもリスと青ぐるみ/高木晴子
栗鼠を呼ぶなんと貧しき英語にて/対馬康子
幾つもの死がありてとぶ枯葉栗鼠/和知喜八
俳句例:81句目~
栗鼠も来て土はしたしや秋近き/室生とみ子
電気柵すたこらさつと夏のリス/加藤知世子
霧の栗鼠胡桃噛む音をこぼすこと/小林康治
霧未明栗鼠の総身ふくらみ飛ぶ/加藤知世子
水霜の芝生にあそぶ小リスかな/左右木韋城
青胡桃飛ばして栗鼠ぞ木がくるゝ/石塚友二
栗鼠あそぶ今日を祭の布留の宮/水原秋桜子
暗転や貂のみちより暁けの栗鼠/平井さち子
リス跳んでからまつの露こぼしけり/関森勝夫
夕露に栗鼠の逃げたるあたりかな/吉岡禅寺洞
木の実だく栗鼠木がくれに秋しぐれ/飯田蛇笏
小学校日暮尻尾の重たい栗鼠がきて/伊丹公子
小綬鶏よぶ方へ誘はれ栗鼠に逢ふ/平井さち子
栗鼠となる女体若葉を駈けのぼる/柴田白葉女
六月のストーヴ栗鼠にのぞかれて/平井さち子
栗鼠の子に見つめられゐる涼しさよ/仙田洋子
栗鼠の尾のひらりと胡桃若葉せり/遠藤夕星子
胡桃割る栗鼠となりゐて夜の家族/猪俣千代子
はじけさう木の実を詰めし栗鼠の頬/小堀亜起
草は実に栗鼠の尾ほのとさまよふも/小池文子