約束に関連した俳句の例をまとめました。
約束を含む俳句例
約束の半襟えらぶ年の市/占
約束は敵意にかわり土埃/山口剛
約束の如くにそこに落椿/上野泰
約束は確か北口風花す/中原道夫
父の介護は蛍との約束/中村克子
柊の花鍵もらふ約束す/田原佳代子
約束の果せずぢまひ蛇苺/吉田素糸
睡蓮の開く音もて約束す/平林幸枝
約束の花雪洞の蔭に待つ/高橋蕉雨
約束は睡蓮と見る同じ夢/鳴戸奈菜
約束を一つ残して春隣/竹村志計留
約束を何々持つや種ふくベ/千代尼
茸狩約束だけで逝きし妹/中村好子
豆にして返す約束豆の花/岩田由美
面倒は見る約束の金買ふ/官能千秋
約束のこの町筍流しかな/中村苑子
一時間先の約束鳰浮いて/橋本榮治
約束の数だけ吊るす螢籠/大西泰世
傾城に約束のあり酉の市/正岡子規
凍滝に約束のひと来てゐたる/辻桃子
俳句例:21句目~
東京へ行く約束の稲刈り居り/山口伸
約束のごとくに二つ返り花/倉田絋文
蛍見の約束のはや夕ごころ/平春陽子
約束のごと一本の曼珠沙華/細見綾子
約束のひとつ果せし梅雨晴間/石寒太
炎天の花火涼夜を約束す/百合山羽公
みどり児に百の約束夏銀河/船橋政子
約束のすぐ重くなる冬の雲/川角曽恵
牡蠣舟に逢ふ約束の時来り/高濱年尾
約束のやうに風来ぬ余苗/志賀佳世子
約束を違えてひとり天の川/高澤晶子
約束や行く手行く手の古柳/立川京子
約束のなき日は楽し法師蝉/星野立子
初詣奈良の春日と約束す/瀧澤伊代次
鵠見る約束をして別れけり/今井妙子
約束の刻の過ぎゆく法師蝉/中出静女
約束に少し間のあり誘蛾灯/五島高資
忘れいし約束の苗とどく/南出白妙女
打水に約束の刻すぎにけり/西/順子
約束の最後の橋の雪明り/水野真由美
俳句例:41句目~
旅いつも未知を約束春の風/山田弘子
星空となる約束の青木の実/藤岡筑邨
約束の机も買はな寒明くる/小林景峰
約束を果してこゝろ爽やかに/川瀬向子
この辺で待つ約束や草の花/今井つる女
ころんでも泣かぬ約束運動会/中井陽子
約束を果たせぬ夜の冷し麦/秋山巳之流
約束を違へしごとく春の雪/片山由美子
みちのくの雪に訪ねて約束す/高濱年尾
緑蔭に拾ふ日の斑と約束と/上田日差子
芽吹後の約束違ふではないか/中原道夫
一と日づつ約束果し水温む/小川濤美子
人の世の約束事へ著ぶくれて/佐伯哲草
落雲雀落ちしところで約束す/小嶋貴恵
八千代座に逢ふ約束も踊の夜/橋本榮治
薬掘る一約束も果さずに/伊津野/朝民
除夜の鐘きく約束を起しやる/原田種茅
約束の時間蜩鳴きはじまる/鴻巣又四郎
指切りは何の約束青野の子/増田河郎子
鳥帰る約束ごとのあるやうに/新津静香
俳句例:61句目~
果たされて約束消ゆる春の山/矢島渚男
梔子やできぬ約束してゐたり/浦川聡子
火の色の水着を見せる約束も/櫂未知子
父と子に約束ありし楓の実/山田ユリヱ
犬ふぐり約束とんと忘れけり/渕野陽鳥
秋分や午後に約束ふたつほど/櫂未知子
約束のいくつか昼の海に浮く/攝津幸彦
約束のごと蜻蛉のまたとまる/恩田洋子
約束のなき日の春の愁かな/大場白水郎
約束のひとつ果せず除夜の鐘/高岡昭子
約束のやうに夕立上りけり/弓削田君枝
菖蒲見にゆく約束に風の出て/鎌倉佐弓
約束の地へしろき蛇うねり過ぐ/穴井太
約束の橋のたもとに苧殻焚く/中嶋秀子
約束の死までの道や蓼咲く日/石塚友二
約束の目高もさげて野菜売/塩谷はつ枝
約束の虹立つてゐる氷河かな/仙田洋子
約束の写仏終へたり年の内/竹中碧水史
約束の寒の土筆を煮て下さい/川端茅舎
約束をもたぬ一ト日や水温む/的場秀恭
俳句例:81句目~
約束の日なり降る雪さまたげず/及川貞
約束を守らぬ船よ海図に火/宇田川寛之
かるがると死後の約束山笑ふ/竹之内清江
約束の眼鏡のなかに象をみた/前田圭衛子
ともに行く約束嵯峨野しぐれ来勿/及川貞
クリスマス迄にといふ約束す/加倉井秋を
蝦蛄売りと約束をして船に乗る/奥本芳枝
冬海あり約束無邪気な父子にて/金子皆子
視線落とせばやわらかき約束よ/大西泰世
針供養に逢ふ約束も出来てをり/高木晴子
待たされてゐて約束のふと朧/今橋眞理子
晴れし日来し人に約束種を採る/村越化石
約束が雑木の芽ぶくようにくる/大坪重治
約束の全茎にはなからすうり/田村みどり
約束の絵を見にきたる草いきれ/田中裕明
約束の地にたけのこの尖るかな/櫂未知子
約束にあしたかがやく酔芙蓉/勝野八重子
約束を反故にせし日の髪洗ふ/片山由美子
約束の菊苗を持ち訪ひくれし/柴山つや子
露の世の約束反故に遺影笑む/山崎千枝子