俳句例:101句目~
豆腐売切れ豆腐屋一家炬燵かこみ/藤岡筑邨
田植一家飯くふ汽車の方に向き/百合山羽公
障子閉ぢて一家の長よ五十はや/猿橋統流子
白鳥一家の帰り支度に口は出せず/鈴木栄子
武者塀に水打つて一家住み慣るゝ/小林康治
百足虫憎し一家の長の吾を螫す/百合山羽公
ベランダを夕餉の場とし一家健/左右木韋城
エスカレータ新春一家つらなれり/草間時彦
みどり児を抱きて一家の帰省かな/稲畑汀子
寒き夜は一家かたまり寝ぬるのみ/菖蒲あや
夕べは鰈の煮付けに一家満ち足りぬ/高澤良一
教師一家が凩の箱舟に揺れゐるよ/柴田白葉女
一家して苧殻たく火をかばひ合ふ/鈴鹿野風呂
山車の灯を遠くながむる一家かな/軽部烏帽子
はたらく前の一家向日葵に歯をみがく/細谷源二
夜にまぎれ竹瓮仕掛くる一家かな/坊城としあつ
一家のゴム長乾されるたびに雪嶺指す/細谷源二
一家かたまりうどんをすすり聖夜なり/菖蒲あや
麦扱いで一家桶風呂荒使ふ/千田一路「能登荒磯」
糠星や一家うどん汁食べて月島はせま苦し/橋本夢道
俳句例:121句目~
祖父母ゐて潮浴び一家父を欠く/岡崎光「朱肉の蓋」
君よそうや元日から涙で曇る一家不和の話も/橋本夢道