目玉/目の玉に関連した俳句の例をまとめました。
目玉/目の玉を含む俳句例
俎の鯉の目玉に秋高し/飴山實
目玉にも斑ありけり蟇/中田剛
巡礼の目玉釘づけ雁の道/齋藤玄
闇汁や大の目玉喉通る/小枝秀穂女
目の玉を剔りて風の冴返る/上村占
明王の三つの目玉葛嵐/瀬戸内敬舟
蜻蛉の目玉ほど空輝くよ/高澤良一
春寒の拓の円き目玉かな/高井邦子
春寒の拓の丸き目玉かな/高井邦子
目玉二個背骨一本蛍烏賊/出口善子
煮の目玉丸呑み暑気払ひ/西野敦子
水槽に鯛の目玉の原爆忌/森田智子
煮の目玉ほろりと夜の秋/名取文子
初糶や目玉とび出す深海/早川翠楓
蘭鋳の真正面の目玉かな/細川加賀
梟の目玉見に行く星の中/矢島渚男
干の目玉乾きし涅槃西風/杉山葱子
五郎おどけ目玉をくるりんと/上村占
豊年や目玉威しのよく踊る/宮下邦夫
兜煮に残る目玉や義仲忌/うだつ麗子
俳句例:21句目~
七月や目玉大きく合羽着て/松本文子
目の玉を宥める瞼被爆地忌/池田澄子
目の玉にくつつく山河秋暑し/斎藤玄
冬の蝿目玉を重く歩きけり/村上高悦
霜にとぶ目玉の重き山の蝿/須並一衛
蛍烏賊目玉も墨も食うてけり/辻桃子
雷の青き目玉が火に落ちし/土谷青斗
雨が降る枯蟷螂の目玉かな/鈴木伸一
顔洗う手に目玉あり原爆忌/五島高資
翅となり目玉となりて蜻蛉とぶ/林徹
夏の鯉目玉大きくあらむとす/斎藤玄
秋ともし目玉湯気立つ兜焼/増田芳朗
大年や鯛の荒煮の目玉よく/野村喜舟
天気図に龍の目玉の高気圧/高澤良一
水馬目高の目玉ふまへたり/巌谷小波
煮凝の目玉はすでに遁走し/平川光子
寒柝に鯛の目玉を啜らんか/藤田湘子
春雷に鯛のうしほの目玉かな/龍岡晋
貌のなき白き目玉や三平汁/高田熊星
睡眠の目玉の動き雪の来る/高橋公子
俳句例:41句目~
横向いて目玉ひとつの寒鴉/那須淳男
新巻の目玉を宿す駅舎かな/杉野一博
いつせいに目玉ちらかり青嵐/山崎恭靖
しぐるるや瞼の中に目玉あり/森賀まり
よせ鍋の鯛の目玉に睨まれり/村上辰良
わが眼いつぱいに梟の目玉かな/佐野涼
ガレの壺蜻蛉の目玉動きけり/加藤浩子
兜煮の目玉をしやぶり信長忌/山崎房子
兜煮の目玉を食へば鷹渡る/市村究一郎
冷酒や鯛の目玉をすすりつつ/寺澤慶信
初夢の鯤の目玉にこだはりぬ/大石悦子
孑孑のすでに目玉の光りゐし/日夏緑影
寒四郎目玉の動く木偶吊られ/後藤綾子
寒鮒の煮くづれて目玉こぼしけり/絵馬
放たれて目玉ぎよろりと夕蛙/河村芳人
本物の目玉がみえる仮面かな/鈴木照子
桜鯛かなしき目玉くはれけり/川端茅舎
梟の目玉のなかを歩くかな/玉作奈々緒
没日見て目玉の乾く潮招き/持永ひろし
海峡来る目玉数個が風になる/加川憲一
俳句例:61句目~
即身仏みてきて鯛の目玉食う/前田保子
測量器の目玉がすわり夾竹桃/桜井博道
煮凝の目玉大きなあらにかな/高木晴子
目玉ぎよろりと雲をうつした/皆川蓼二
混沌とだるまの目玉市をなす/石井長子
老僧や目玉が遊ぶ鬼やんま/森下草城子
血を喀いて目玉の乾く油照り/石原八束
遠山が目玉にうつるとんぼ哉/小林一茶
闇汁の闇に目玉を食べられる/大池青湖
雪国の鱈の目玉もねぶり喰ぶ/中山純子
青葦原ふたつの目玉なにもせず/齋藤玄
鬼貫忌橡の目玉の飛ぶ日哉/戸沢撲天鵬
鯉のぼり畳みて目玉上に載す/大石悦子
鯉のぼり目玉大きく降ろさるる/上村占
鰰の目玉こぼれて汁たぎり/渡辺はる枝
鵙の贄目玉動きしかと思ふ/片山由美子
夏燕夕べ目の玉かゆしかゆし/小川千賀
目の玉のなかよく二つ螢の火/鳴戸奈菜
大どんど守りゐて目玉乾きたり/増田時枝
祭り化粧視てゐる三ツめの目玉/中山玲子
俳句例:81句目~
煮凝のはなればなれの目玉かな/須藤豊子
鬼やんま瑠璃の目玉を廻しけり/都筑智子
草の上にたゝまる鯉の目玉かな/林原耒井
初診察目玉に風をあてられる/郡山やゑ子
初午や煮干しが目玉むきだしに/大石雄鬼
兜煮の目玉つつけば時雨れけり/金子青銅
蝶くれば蝶を見てをり遺影の目/玉城一香
ころりんと目玉落しぬ雪だるま/知多瑞穂
まっ先に目の玉が墜ち鬼やんま/高澤晶子
鷽替の目玉のまことしやかなる/石井長子
木枯しの目玉ぶつかりあう音す/北川邦陽
鯉のぼり目玉ひらたく畳まるる/長谷川櫂
暗闇の目玉濡らさず泳ぐなり/鈴木六林男
片隅にごまめの目玉ひしめきて/塩野典子
目の玉を落としてからの潮干狩/水治悦子
ほたるいか目玉の芯の噛み残る/飯沼衣代
雪だるま目玉の今日はニッケ玉/佐藤照子
目の玉のぴかぴかしたり鶯菜/中尾寿美子
?五郎目玉ばかりで生きてをり/尾中博之
むつ五郎おどけ目玉をくるりんと/上村占