俳句例:101句目~
黒葡萄聖書いつよりなほざりに/山岸治子
さくら餅聖書をめくる手は別に/大内セイ子
聖書日課のルカ伝を終へ春惜む/田川飛旅子
水番の小屋に置かれし聖書かな/倉富あきを
聖書眠らせ瓦礫と落葉踏み歩む/小檜山繁子
流氷の哭く夜は聖書読むと言ふ/小枝秀穂女
拡大鏡で聖書をおさへ西瓜喰ふ/田川飛旅子
聖書説き世俗に媚びず炉の神父/小原菁々子
身ほとりに聖書と俳書去年今年/宮田登喜子
子に與ふ聖書こぼるるきらら蟲/石田あき子
如何なる時聖書手離す枯野の尼/加倉井秋を
聖書通読詩篇まで来て年を越す/田川飛旅子
クリスマスひらきし聖書にも灯す/田村了咲
聖書置く棚にはたはたとびきたり/友岡子郷
ひきだしに聖書ひそめり枯野宿/久保田万太郎
文語こそよけれ黴びにし聖書なれど/山本歩禅
ポインセチアや聖書は黒き表紙かな/三宅絹子
聖書読む母さわやかにらふたけく/ミュラー初子
ラベンダー吊りめぐらせて聖書売る/中戸川朝人
聖書説かるシャツの上からも蚊に刺され/川口重美
俳句例:121句目~
聖書読む寡婦ジンジャーの香の中に/中屋敷/晴子