茣蓙を使用した俳句

茣蓙に関連した俳句の例をまとめました。

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茣蓙を含む俳句例

年男茣蓙して謡一番す/大野洒竹

梨番の茣蓙の上なる筑紫琵琶/石鼎

神神の器も茣蓙に年の市/白川時子

舟茣蓙に砂のざらつく沖膾/堤月耕

七月の舞台鞴の茣蓙に雨/宮武寒々

瓜番の茣蓙一枚の褥かな/広沢米城

演劇部備品の着茣蓙虫干す/茨木和生

拝殿に茣蓙敷き寒の能舞台/富田潮児

粟の草取るや着茣蓙に風もなく/篠原

僧の座の敷茣蓙にほひ魂祭/井沢正江

敷茣蓙の藍の匂へり蓮見舟/玉澤幹郎

茣蓙の上の母を標や野に遊ぶ/不破博

茣蓙の下田水走れる瓜番屋/村上三良

舟茣蓙に月の夜風の冷え来る/上村占

草取の膝敷茣蓙の小ささよ/高倉観崖

湯治茣蓙抱へて出づる朝曇/白井爽風

花見茣蓙端近もある奥もある/平畑静塔

花包む小茣蓙こぼるゝ夏の露/中川四明

婆五人しつかりと載せ花見茣蓙/林和琴

春泥に茣蓙かぶせあり堂の前/岩田由美

俳句例:21句目~

老どちに茣蓙席冷ゆる里神楽/山田弘子

真青な寝茣蓙の上の窶れかな/鈴木鷹夫

花見茣蓙華やぎ何か疲れゐて/塩川雄三

茣蓙の上に婆を満載川施餓鬼/高澤良一

土曜市草の匂ひの寝茣蓙買ふ/平野山石

綿虫のおちてきたりし茣蓙の上/中田剛

茣蓙を巻くことも八月十五日/柿本多映

茣蓙売の茣蓙抜けてゆく和布村/岸田稚

青田風着茣蓙煽りつ亘るなり/石塚友二

棚経や父の寝茣蓙の端ほつれ/皆川白陀

華麗なる寝茣蓙の上の齢かな/草間時彦

萱刈の茣蓙臑当のいでたちや/松藤夏山

誰も来ぬままの一枚花火茣蓙/渡辺真帆

眼科出て寝茣蓙を買へる入日中/宮武寒々

花見茣蓙広げお城に馴染まする/加藤憲曠

敷き茣蓙に守る村の子等宵閻魔/宮脇和正

寝茣蓙買ふ郷愁しきりなる妻よ/松尾緑富

寝茣蓙して法師蝉けふ聲加ふ/石田あき子

アイヌかなし秋の暮色を茣蓙に織り/林翔

敷きくるる臭の茣蓙や舟あそび/亀井糸游

俳句例:41句目~

一と部屋は藺茣蓙の香あり夏初め/瀧春一

佐渡までのしぐれ明りや茣蓙帽子/岸田稚

竪琴のごとく糸張り絵茣蓙織る/田村了咲

夏掛や寝茣蓙の上の一トつかみ/瀧井孝作

蔓引くや茣蓙一杯のぬかご雨/羽根田薫風

新涼や茣蓙敷きにゆく村芝居/大野今朝子

桃摘花侍しゐる茣蓙と魔法瓶/八木林之介

客茣蓙を蚕棚の裾に延べくれし/上村梢雪

草市の茣蓙にたまりし小銭かな/野村泊月

荻窪に茣蓙屋があればこそ涼し/筑紫磐井

新しく買ひ来し茣蓙も盆用意/福島喜代女

あな黒し茣蓙にひろげて棒若布/中西夕紀

著茣蓙など買うて行かれし旅の人/三浦俊

茣蓙敷いて蚤の市たつ初観音/鈴木真理子

角を切る鹿の背丈の茣蓙敷きて/木田千女

話まだ寝茣蓙につづく姉妹かな/井上和子

寝茣蓙なる花にかこまれ妊る身/井桁敏子

貸し練炭貸し茣蓙夜桜真っ盛り/高澤良一

野々宮へ茣蓙さげてゆく祭かな/野村泊月

闘鶏の囲へる茣蓙の揺れとほし/工藤一艸

俳句例:61句目~

藺刈賃もらひ土産の茣蓙もらひ/三木朱城

絵茣蓙古り人生もほぼ古りにけり/後藤夜半

うちくぼみ浪間のごとき寝茣蓙かな/轡田進

すさまじや夫婦の部屋の茣蓙衾/上野さち子

ふたまはり寝茣蓙の夫の細りけり/足立和子

ほんたうは茣蓙を敷きたき花筵/後藤比奈夫

伽藍広し寝茣蓙を貸しに小孩来/成瀬桜桃子

茣蓙を着て足くつきりと白きかな/高浜虚子

夏虫や茣蓙の織屑焚くならひ/安斎桜カイ子

茣蓙一枚火鉢ひとつのなりはひや/福田蓼汀

茣蓙半帖ささげを干して盆の島/山本つぼみ

夢見茣蓙巻きかかえねば失せやすき/澁谷道

奥能登の一夜の宿の寝茣蓙かな/大橋越央子

茣蓙敷いて遊びゐし子に春時雨/波多野爽波

草の戸に買ひ戻りたる寝茣蓙かな/松藤夏山

女らの夜はつくろひの田植茣蓙/長谷川素逝

バンガロー絵茣蓙一枚敷けるのみ/桑田詠子

草萌の野に敷く茣蓙のふくらみに/稲畑汀子

寝茣蓙してくすくす笑ひいつまでも/辻桃子

寝茣蓙干すことが日課に加はりぬ/磯村美鶴

俳句例:81句目~

寝茣蓙敷きかなしき音の中に寝る/小林康治

打敷きて寝茣蓙の花鳥いのち得し/鈴木穀雨

茣蓙一枚持ちて菊師の現はるる/佐草しげを

薬缶茶碗と置けば傾ぎて田植茣蓙/今瀬剛一

捨て茣蓙を寄居虫越えてゆきにけり/小澤實

昼寝茣蓙机辺の反古をあふち敷く/亀井糸游

案内者の著茣蓙を走る急雨かな/川原檳榔子

海贏の子の茣蓙の窪みを見て温か/石川桂郎

涼風や持ちよるものに茣蓙二枚/鈴鹿野風呂

織る茣蓙の花くれなゐに雪ごもり/田村了咲

盆茣蓙をきつちり巻いて仕舞ひけり/中里篠

雨やんで茣蓙ひろぐれば紅葉かな/田中裕明

神前に固く巻きたる絵茣蓙かな/吉本伊智朗

風の故郷が見える一日茣蓙にいて/阿部完市

鮮やかに寝茣蓙の夢の残りけり/砂田貴美子

舟の茣蓙にすてつきは横はらせる/栗林一石路

ままごとの茣蓙そのままに霜に明く/永井龍男

お神楽の涼しき茣蓙を踏みにけり/大木あまり

着茣蓙してまつわる虻をうとみをり/石田良作

浮かせ木に茣蓙敷き酌めり今日の月/野村泊月