俳句例:101句目~
甘茶はや飲む彼が帯結びやるべし/喜谷六花
キヤンピング写真彼撮り彼女撮り/成瀬正とし
彼をうめしただの枯野を忘るまじ/長谷川素逝
まくなぎを率ゐて彼が来たりけり/佐々木六戈
晴天枕に彼も宇宙飛行士のほほえみ/金子兜太
海贏仇の彼もいくさで死にしとか/成瀬櫻桃子
彼と彼女にときどき交叉する声だ/津沢マサ子
河豚宿に彼が来てゐるやも知れず/深川正一郎
誰も彼も都会のさびしいバクテリア/松本恭子
おもはざり彼がアロハを着ようとは/加藤三七子
彼が見てゐるスケートを舞ひにけり/嶋田摩耶子
ラガー彼凱ち来と笑まふ瞬時の笑/竹下しづの女
ラガー今キックと呼べり呼べるは彼/竹下しづの女
霧の夜のさよなら彼に闘志もどれ/赤城さかえ句集
彼桃が流れ来よ~春がすみ/一茶/文化八年辛未
眉をあげてタックルかけしラガーぞ彼/竹下しづの女
誰も彼もにほめられて死んでしまった弟です/橋本夢道
泣けるだけ泣いてしまってから彼を葬るに兵営の規則/橋本夢道
杖つきて歩く日が来む/そして杖の要らぬ日が来む/君も彼も我も/高野公彦