俳句例:101句目～
浜木綿やいづこより日の出る村ぞ/千代田葛彦
浜木綿に鍵を忘れず持たれしか/長谷川かな女
浜木綿が咲けば蛾が来るどこからか/下村梅子
浜おもと香のことごとく夜明けたり/三宅一鳴
一よりあかるきわれの長女は浜木綿/阿部完市
浜木綿の仄めく闇に温泉の噴けり/田守としを
浜木綿はタカラジェンヌの長まつげ/高澤良一
遠のくものよ国生みの山も浜木綿も/金子兜太
浜木綿や海女の濡身をかくさむと/小島千架子
はまゆふに雨しろじろとかつ太く/長谷川素逝
はまゆふは真夜の灯台にほはしむ/阿波野青畝
身を裂きて咲く浜木綿と思ひけり/雨宮きぬよ
はまゆふのかたわらに咲く端居かな/楠目橙黄子
はまゆふのまだ咲かぬ風薫りけり/久保田万太郎
浜木綿に黒潮の/背をきこうとする/吉岡禅寺洞
浜木綿や「きくへ」としるす海女の籠/伊藤いと子
庭が亜熱帯となつて浜木綿がうわつた/吉岡禅寺洞
浜木綿の花のしろさ琉球はいま孤独です/吉岡禅寺洞
