俳句例:101句目~
馬は四肢もて耐ふ麦束の積まるるを/津田清子
うぐひすやよべの熱なほ四肢にあり/中尾白雨
煖炉燃え四肢のゆるめる椅子もよし/塚原夜潮
いなびかりひとと逢ひきし四肢てらす/桂信子
いもりすと四肢をすぼめて迅きとき/高濱年尾
吾子の四肢しかと外套のわれにからむ/沢木欣一
春みぞれ土偶は四肢を張りづめに/鍵和田ゆう子
海女の四肢浪くれば浪にしたがへり/柴田白葉女
ゆらぎ起ちて四肢嵌まるさま朝の仔馬/平井さち子
シンクロナイズドスィミング咲かす四肢の花/高澤良一
亀の子の四肢ひらひらと親を追ふ/内藤英子「雉俳句集」
若馬の四肢の間風は流れつつ泡よりうすし牧草の花/真鍋美恵子
荒潮はしずかな癒し潜りゆく四肢ひったりと抱きからまる/田村広志
乳のごとくかがやく四肢を横たふる夜明けの雷にそをたとふべき/山田富士郎