俳句例:101句目~
義歯沈む春暁のコツプ死後のごと/田川飛旅子
コスモスをコップに挿して脂粉なし/原田種茅
葱の根をコップに生けて子の下宿/上野さち子
おそく帰るや歯磨きコップに子の土筆/和知喜八
たんぽぽの黄を挿して愛ず一コツプ/赤城さかえ
冬の薔薇コップに挿しすぐ忘れけり/加倉井秋を
コップに鳴らす夕焼重なり澄む母の忌/金子皆子
春立ちてたちまちコップひとつ割る/正木ゆう子
コップに挿すすずめのてつぱう独立祭/高澤良一
初蝉や硝子コツプひとつこわれない/中尾よしこ
手に指があってビールのコップに取っ手/池田澄子
ガーベラを挿してコップの水もきれい/橋田サカエ
風船虫飼へるコップに田の匂ひ/小島國夫「草雲雀」
明日咲くいのちコップに張りて縷紅草/山本つぼみ「落暉」