護摩に関連した俳句の例をまとめました。
護摩を含む俳句例
牛祭月歪むほど護摩煙/上島清子
初護摩の煙の中に滝仰ぐ/中村桑摘
護摩壇に金鈴響く春の雨/夏目漱石
護摩壇山夏終る夕日さす/友岡子郷
初護摩の猛る炎に合掌す/定形早春
僧正は護摩壇上や蠅の閑/野村喜舟
護摩の灰髪にかざして初詣/市川/良
護摩壇の炭の匂ひや虎が雨/升本行洋
臼杵の玩具土産や初日護摩/高木蒼梧
初護摩や親子相打つ大太鼓/山城やえ
護摩壇の神鏡煙る施餓鬼寺/氏家頼一
護摩祈祷待つ日溜や初薬師/富田潮児
秋晴や山僧の用日々の護摩/尾崎迷堂
大護摩に播磨野けぶる聖霊会/谷迪子
朝護摩を焚きて始まる煤払/玉手文武
月山に初護摩太鼓轟けり/菅原庄山子
修験者護摩火渡りの石の涼/石川桂郎
初護摩の焔生きたり金色仏/高島筍雄
初護摩の煙信者を包みけり/小川立冬
棚経の僧も戻りて昼の護摩/川澄祐勝
俳句例:21句目~
火取虫あやめてよりの護摩の経/翌桧
合掌に早鳴る護摩の初太鼓/永田しげ
初護摩の障子明りに合掌す/沢村春子
朝護摩供早や群参の初不動/松田空如
護摩の火と向き合ふ正座眉涼し/森青山
初護摩や衣の塵を吹き飛ばし/古舘曹人
初護摩を焚く上堂の太鼓鳴る/立木大泉
わが焚いて浴びて初護摩大煙/後藤薫風
大護摩の猛る鵜の瀬や水送り/前田時余
優曇華や護摩の香の染む籠堂/高野清風
元朝の護摩焚いてをり滝の前/角川春樹
八朔の山へ打ち込む護摩太鼓/升本栄子
古絵馬を焚き護摩堂の年用意/北村/周
初不動護摩火にかざす祈願札/有村節香
大年を護摩たくひとの黒子から/中田剛
初観音護摩火鎮めて渉りけり/中川草楽
療養の馬に護摩焚く初薬師/遠藤アサ子
瓔珞に護摩火かゞやき初不動/和田花青
座主の焚く初護摩雪の峰の寺/中尾吸江
火の鳥の護摩木から出て厄落/宮坂静生
俳句例:41句目~
初護摩や五臓六腑で聞く太鼓/今村/岱
初護摩や我に流るる原始の血/松岡博水
大護摩の椨の根焦がす水送り/二宮英子
初護摩の法螺一山を貫けり/中島ふゆみ
護摩の炎の天へ昇れり呼子鳥/水戸啓子
護摩壇に供養の扇飾りけり/高須賀得二
初護摩の十二神将けぶらしぬ/松本菊子
杉の花護摩火猛れり砂かまど/脇坂啓子
初護摩の炎に厄を投じけり/歌川雅秋子
護摩の火に財布を灸る初不動/登嶋弘信
護摩木割る事より寺の年用意/斎藤トミ
護摩木書く紅葉明りの大山寺/太田房子
護摩檀の煙細りて鳴く蚊かな/梅沢墨水
初護摩やつづれ錦で身を包み/川澄祐勝
送水会護摩の火に雪光り降る/大橋敦子
開帳や護摩の火昼も夜も盛ん/本間白城
降る雪に大護摩焚けり初薬師/熊田鹿石
天蓋に結夏の護摩の火の粉かな/稲荷島人
白梅や火の粉無尽に御滝護摩/小川原嘘帥
数珠で嬰撫でて初護摩終りけり/川澄祐勝
俳句例:61句目~
春泥に踏み出て護摩火渡りきる/吉田未灰
樒くべ護摩の火はぜる涼しさよ/岡田日郎
白萩のこぼれて悪僧護摩を焚く/会津八一
節分に焚かる護摩火に吾が運勢/森定南楽
節分や護摩木に雨のにじみあと/加藤耕子
蘇民受く初護摩火の粉天井まで/大野林火
護摩の火に天蓋ゆるゝ暑さかな/野村喜舟
この寺の解夏の一事や護摩を焚く/原鬼灯
護摩の火の花の会式の場に昏る/大野林火
ひよどりの次々巣立つ護摩太鼓/岡本昭子
むささびに鳴る初護摩の大太鼓/大島民郎
護摩堂にさしこむ秋の日あし哉/正岡子規
一会なり落花にまかす護摩の跡/伊藤京子
護摩壇に戸開の護摩木組み供ふ/岡田日郎
三日月も火照る大護摩水送り/笹川かなめ
丹田にひびく初護摩太鼓かな/豊田喜久子
八荒の護摩火くすぶる船着場/原田しずえ
初の護摩ゆらりと柱なせりけり/東條素香
初太鼓作務僧護摩木焚きつづく/柴田寛石
初護摩のほのほゆらめく杉の幹/羽田岳水
俳句例:81句目~
護摩札をいただけり冬の沼を見む/瀧春一
初護摩の出を待つ僧の焚火かな/岡村羊羽
護摩焚いてくらがり峠残花なり/山本千之
護摩焚きの太鼓の響き紅葉晴れ/木島節子
初護摩の法螺に一天ひきしまり/山口峰玉
護摩終へし僧もいただく大根焚/神谷翠泉
初護摩札いのち惜しめと送り呉る/西山誠
千灯会護摩火は月を焦がすかに/杉浦光代
大護摩のはじまるしじま初不動/井口蛇渓
青檜葉の護摩匂ひ立つ送水会/小沢チエ子
須弥壇も焦げんばかりや追儺護摩/上村占
御山主の御護摩の修法さやけしや/高木晴子
剣もて初護摩の火をなだめたり/塚越志津枝
フラツシユを浴び初護摩の大僧正/中村菊雄
初護摩やマイクを通る火のひびき/成田郁子
初護摩の菩提寺太鼓とどろけり/寺崎美江女
花の会式の残り護摩の焔旅に暮る/野沢節子
初護摩の爆ず火明りに躬を正す/井桁汀風子
かなかなや護摩木に記す子の平癒/南光翠峰
大護摩を焚いて冬至を逝かすなり/佐藤一樹