俳句例:101句目~
恋のボート父子のボート漕ぎかはし/富安風生
妻病みて父子の歌留多の倦み易し/奥野曼荼羅
覚めて山冷え温みかよわせいて父子/古沢太穂
野に佇ちて父子もの言はず秋の暮/成瀬櫻桃子
夏来る父子髪油を同じくし/岩崎健一「江東」
父子の情断ち切りがたし棹なす雁/成瀬桜桃子
木の実独楽父子の会話のまた弾む/斎藤ひろし
父子ふたり水をながめつ今日も暮れゆく/山頭火
ブランコ余韻父子にハゼ釣れてる/みなとたいじ
ねんねこよりはみでる父子の瓜二つ/尾形不二子
さんだはら編んで日なたに父子かな/長谷川素逝
父子で住んで言葉少なく朝顔が咲いて/尾崎放哉
たんぽぽ相撲いたみ分けして父子かな/平井さち子
ともに裸身ともに浪聴き父子なる/大野林火「早桃」
父子手をつなげば天地夕焼くる/豊田都峰「野の唄」
父子といふあやしき我等ふたり居て焼酎酌むそのつめたき酔ひ/林和清