俳句例:101句目~
訃へすぐに煮炊きはじまる落葉村/山本つぼみ
桃食べて訃のこと再び口にせず/阿部みどり女
止む雪のまのあたりより至れる訃/赤松けい子
春の虱も忘れ参じし師の訃かな/長谷川かな女
ひとの訃や眼鏡をかけたまゝねむる/中川浩文
吹きぬけて秋めく風に訃のハガキ/柴田白葉女
さくら忌といふべし花の訃なりけり/つじ加代子
夏じほの音たかく訃のいたりけり/久保田万太郎
訃のつづく旅へさくらも桃もすぎ/阿部みどり女
エンジェルトランペツト咲き婚と訃と/江口千樹
たうたうの訃火鉢引きよせなまいだぶ/河野静雲
訃の便り籠揺り鳴かすきりぎりす/鍵和田ゆう子
はつ雁の音にさきだちていたれる訃/久保田万太郎
うすい髪の一部へ彷徨する/プレスリーの訃/金原一郎