俳句例:101句目~
焼藷買ふ夜も作業衣の工女たち/伊東宏晃
壺焼の尻焦げ抜けてゐたりけり/茨木和生
まだ起きてゐる灯に通る焼藷屋/佐藤冨士夫
ここと坐りて焼藷を食べはじむ/波多野爽波
焼藷屋路地を曲がつてそれつきり/行方克巳
土佐脱藩以後いくつめの焼芋ぞ/高山れおな
石焼いも買ひたしわが家までの距離/及川貞
焼芋やばッたり風の落ちし月/久保田万太郎
呼び止めるには遠くなり焼藷屋/遠藤千恵子
焼芋屋いづこにゐても鼓楼見ゆ/岩淵喜代子
壺焼の壺にふる雪噴かれけり/飛鳥田れい無公
焼芋やこのごろはまた釣に凝り/久保田万太郎
星がともだち石焼いもを石から掘り/中島斌雄
ふところの焼芋のあたたかさである/尾崎放哉
おでん焼藷えんぶりの尾にゐて寧し/小林康治
焼藷をぽっかりと割る何か生れむ/能村登四郎
火の粉撒きつつ来るよ青年焼芋屋/山田みづえ
焼芋やいまはむかしのゆめばかり/久保田万太郎
カーブミラーに止まつてゐたり焼藷屋/大石雄鬼