サソリに関連した俳句の例をまとめました。
サソリを含む俳句例
蝎座を戴くや包灯りぬ/加藤楸邨
月光の仏塔はるか蠍這う/阿保恭子
洞窟の石の王座を蠍這ふ/品川鈴子
眼にもせぬ蠍を夢に島泊り/上村占
鈴懸の花の日暮の蛇/蝎/高野ムツオ
さそり座へ消えし国道立葵/菅原鬨也
黄河の日爛れ蠍はほの青き/片山桃史
炎天を蠍色にて立ちにけり/平井照敏
短夜や蝎にざわつく人の聲/幸田露伴
お花畠天にさそり座白鳥座/白井爽風
蝎のいろ走る百足を朝鏡/百合山羽公
さそり座に欅が触れぬ夜の秋/及川貞
踏みつぶす蠍靴底且つ熱し/林孝太郎
深夜にて雪上を匐ふさそり星/相馬遷子
さそり座の心の星燃え夏来る/福田蓼汀
掴まれて蠍のごとく蜻蛉反る/安藤風子
蛍烏賊夜汽車蠍のごとく発つ/宮武寒々
さそり座の形に吹いて芒の風/萩原麦草
さそり座の星の不揃ひ野分して/及川貞
さそり座も夜々傾きて秋に入り/及川貞
俳句例:21句目～
アンタレス尾が物を言う蠍かな/篠田悦子
鋳掛屋の蠍の刺青も身に入みて/宮坂静生
さそり居てつひに眠れぬ山の宿/平松幹夫
さそり座をめざす航海夜も暑し/福永耕二
さそり座を憶えし吾子に星流れ/稲畑汀子
火蟲掃き寝るときさそり星のあり/及川貞
苗代の闇やさそりの星いでて/百合山羽公
さそり座のそばまで麻の花ざかり/藤田湘子
さそり座の尾の刺さりたる芒山/藤田あけ烏
さそり座をしづめし波の夜光虫/岡本まち子
さそり星老けしまはりの露の星/百合山羽公
涼宵やさそりの星の反りわたる/百合山羽公
バルコニーの烏有人に蠍する日送り/加藤郁乎
さそり座のさそり倖せはふっと消え/三井絹枝
さそり座の巻き尾地に触れ鴨の声/平井さち子
さそり棲む火の山の島キャンプ張る/安井政郎
さそり座の尾にさされけり通夜帰り/杉山とし
雑寝する海女小屋さそり居りにけり/中島達夫
高階にさそり座を飼いギター弾き/八木三日女
土の家なればむしあつくさそり棲む/長谷川素逝
俳句例:41句目～
さそり座の真下に水を盗みけり/若井新一「雪田」
蠍棲める城壁に沿ひ露天市/長谷川浪々子「知更鳥」
さそりが月を噛じると云へる少年と月食の夜を河に下りゆく/前田透
