俳句例:101句目~
目貼してカーテン引きし書斎かな/高浜虚子
秋の蚊の鳴かずなりたる書斎かな/夏目漱石
書斎の灯にはかに明し苗を植う/米沢吾亦紅
ありし日の周辺たたむ寒き書斎/山本つぼみ
辞書置けば炬燵も書斎メガネ拭く/船平潮子
三ケ日も書斎派と決む本買ひ込み/鈴木栄子
茎漬くるやたま~主人書斎より/楠目橙黄子
リルケ読む書斎の玻璃に金亀子/酒井美知子
凧揚げて来てしづかなる書斎かな/山口青邨
まぼろしの鱶が書斎を出てゆかぬ/池田澄子
薔薇剪つて手づから活けし書斎哉/正岡子規
わが浴衣書斎出入りに見えて縫ふ/亀井糸游
将て来ける小猫のさまの書斎かな/尾崎迷堂
散らかつて落ちつく書斎青葉木菟/田中とし子
ピストル坐辺にありてこちたし書斎秋/飯田蛇笏
籠らせてもらふ書斎の三日かな/いのうえかつこ
みどりさす大和恋しき八一の書/斎藤典子「大山蓮華」